元看護師というキャリアにあぐらをかかず、日々対話を続けて成長していく
現役エステティシャンの皆さんに仕事へのこだわりや日々の過ごし方をうかがう本誌の好評連載「Esthetician File」。
1月号では彫刻リンパ®サロン Vifleur(ヴィフルール)から岩藤 典子さんが登場。
2013年まで大学病院で看護師として勤務し、その後エステティック業界へ。近年は彫刻リンパ®セラピスト育成指導とサロンの集客コンサルティングも手掛け、2017年からは美と健康のイベント・wellness marchéを主宰。来場者数は2年半で2,000人にも達した。
彫刻リンパ®サロン Vifleur(ヴィフルール)
TEL:090-7834-9345
①なぜ看護師からエステティシャンに?
看護師は幼いころから身近な存在でした。何せ喘息持ちで、入退院を繰り返していましたから。しかし、学生時代の夢はネイリスト。母に諭されて看護師になったものの、思いを捨てきれずにスクールに通ったほどでした。そこで気づいたんですが、私は細かい手作業が苦手だったんです。ネイリストになることを諦めたとき、補正下着を販売している従姉から「エステサロンで働かない?」と声が掛かったことがきっかけです。
②医療業界からエステティック業界に移って驚いたことは?
看護師だったころよりも健康への意識が高まりました。看護師は業務上、自身の症状に対してすぐに対応しなければいけない場面が多く、例えば痛みが出たら薬に頼らざるを得ません。それに比べると、エステティック業界には“未病”の段階からケアをする意識と知見がありますね。
③仕事で大切にしていることは?
“元看護師”というキャリアは、健康についてエビデンスに基づいたアドバイスができる点で大きな強みだと思いますが、カウンセリングの大前提は、お客様の悩みをしっかりヒアリングすること。話し方にはその人の歴史が表れています。よく使われる言葉などから、その人が何を大切にしているかを汲み取るのです。もっとも、最初からこのような姿勢でいられたわけではありません。私史上最大のピンチを乗り切ったおかげで変われたのです。
④最大のピンチとは一体何があったのですか?
お客様を怒らせてしまった結果、「訴訟」という単語が飛び出す事態になってしまって。さすがに1カ月ほど落ち込み、もうセラピストをやめようとさえ思いました。でも、冷静になって自分の接客を反芻してみると、自分目線で接客していたのではないかと。以来、その人が何を求めているかを意識してヒアリングするようになりました。
⑤働きやすいサロンをつくるために必要なことは?
途中でやりがいを見失う看護師は少なくありません。それは看護師になることがゴールになってしまっているから。エステティシャンにも同じことが言えます。よりよい職場にするには、スタッフ一人ひとりに「どうありたいか?」を定期的に考えてもらい、オーナーはスタッフが自発的に目標を立てられるようサポートに徹することが大切です。
⑥いまだ終息の目途の立たないコロナ禍を乗り切る策は?
実は当店では、営業再開直後から新規のお客様が増えたんです。彫刻リンパ®は彫刻のようなメリハリのあるボディラインへ導くメソッド。メンテナンス需要が高まっていた時期、普段刺さらないお客様にも刺さったのでしょう。メディアで取り上げられたことも追い風となりました。ブランディングさえ確立できていれば、自ずと道は拓けていくものです。
ボルダリングが趣味の主人と過ごす休日は、やっぱりボルダリングデート!
※本記事は『エステティック通信』1月号から抜粋したものです。