“フェムケア”で一人でも多くの女性の健康をサポートしたい
現役エステティシャンの皆さんに仕事へのこだわりや日々の過ごし方をうかがう本誌の好評連載「Esthetician File」。
3月号は「Lysblanc麻布十番」の中野 香織さんが登場。
20年勤務した建設会社を退職後、イタリアに長期滞在。滞在中に現地のフレグランスブランドに惹かれ、帰国後に同ブランドの日本支部に就職。過去の職場での経験から、女性の健康を支援する活動がしたいと考えるようになり、1年ほど前にサロンをオープン。「女性一人ひとりの人生ストーリーのサポーター」として、お客様一人ひとりに寄り添っている。
Instagram:https://www.instagram.com/lysblanc_azabu/
①エステティシャンを志したきっかけを教えてください。
最初は建設会社で20年ほど勤務していましたが、男性の多い職場で、女性特有の悩みを隠して働いてました。退職後、大好きなイタリアで長期滞在をしました。帰国後はイタリアで出合ったフレグランスブランドで勤務。以前とは真逆で女性ばかりの職場で、若い人たちが体調不良やPMS、貧血などでよく休むという状況を目の当たりにしました。イタリア滞在中、日本はフェムケアについて非常に遅れていると強く感じました。現地の女性たちと交流するなかで、フェムケアが日常的に取り入れられており、重要性や方法などを教えてもらいました。当時日本にはフェムケアという言葉すらありませんでしたが、抵抗感なく取り組み始めました。このような環境は日本にはほとんどないため、相談もケアもできる場所をつくりたいという思いから、思い切ってサロンを始めることにしました。
②仕事に対するこだわりを教えてください。
サロンで取り扱う製品は、お客様に絶対に安心していただける製品だけを選んでいます。特にデリケートな部分を扱うので、成分は徹底的に調べます。安価なものもいろいろありますが、作っている方の顔が見える、信頼できる製品だけを選んでいます。また、お客様一人ひとりの悩みや要望に寄り添うこともこだわりです。お客様もデリケートな内容は話しにくいこともあるので、カウンセリングは比較的短めで、普通の会話のなかから引き出していきます。何気ない日常会話や、体を触らせてもらうことで、その人の生活習慣や改善点が分かります。コミュニケーションを通じて、お客様が心を開けるようなサロンでありたいと思ってます。
③サロンのウリを教えてください。
一番のウリは、フェムケア専門であるところです。美容だけではなく、医療的な知識も身に付けているので、そこも大きな強みですね。私自身、助産師の先生が校長をされているアカデミーで学んでいるので、最新の情報もキャッチしつつ、スキルアップを続けています。また、脱毛や機器を用いた施術、ハンドマッサージなど、フェムケアに関わることを一度に全部提供できるので、フェムケアを通して美容と健康の両方をサポートして、お客様に安心感を持っていただけたらと思います。
④保有資格や接客・施術ポイントなど、あなたの強みを教えてください。
一番はお客様がなんでも悩みを打ち明けてくれることです。これまで62年生きてきて、さまざまなことを乗り越えてきたので、どんな相談でも受け止め、アドバイスができる自信があります。技術面で言うと、お客様にはハンドマッサージが好評です。機器も使用しますが、大事にしているのはやはり“自分の手”。手の温かさを活かし、デリケートゾーン周りをほぐすのが得意です。マッサージを通してその方の体の状態も見ることができますし、お肌や顔色も変化するので、ハンドマッサージは大きなウリになっています。
⑤目標や夢を教えてください。
今後は、これまで試行錯誤して確立したマッサージの手法を、1人でサロンを運営していて悩んでいる人たちに伝えていくことです。フェムケアは流行ではありますが、資格を取って発信するだけの人が多く、実際の現場で使える技術を学んでいない人が多いように感じます。私のSNSを見て、ありがたいことに地方から習いに来てくれる方もいらっしゃいますし、お客様からマッサージを教えてほしいという声もあり、本格的にセミナーやサポート活動を広げたいと思っています。1人で悩んでいる経営者の方や、当然お客様も、女性が少しでも前向きに楽しくなれるサポートができたらうれしいです。
行きつけの美容室のワンちゃんとのお散歩が日々の癒しです。私を見つけると、駆け寄ってきてくれるのが愛おしいです。