お客様にずっと喜んでいただくために、自分が元気に楽しく働ける環境を模索したい
現役エステティシャンの皆さんに仕事へのこだわりや日々の過ごし方をうかがう本誌の好評連載「Esthetician File」。
8月号ではPrivate salon Lys(プライベートサロン リス)の佐藤由梨さんが登場。
(Instagram→@yurisatou.lys)
⓵個人経営の形態は長いのですか?
キャリアの中では短い方です。最初に入社した大手サロンには10年間、その後独立した元同僚のサロンでも6年ほど働きましたので、計16年ほどは組織の中で仕事をしていたことになります。ライフステージによって働き方を変えてきたので、その時々に必要な環境に居ることができ、恵まれていたなと思います。
②今の仕事のスタイルを確立されたきっかけは?
若いころは仕事一筋で励んでいたのですが、途中子育てなども挟んで無理がたたり、あるとき体を壊してしまって。周りの人を幸せにするためには、まずは健康に長く続けられる形を大切にしようと思うようになりました。そこで、自分自身も好きだった「オールハンド」にこだわって、お客様を癒やして差し上げられるサロンを考えました。
③どのようなお客様がいらっしゃるのですか?
オールハンドにこだわっていますので、仕事が忙しい方や年配のお客様など、“手のぬくもり”でストレスや疲れを癒やしたいと思って来られる方が多いですね。肌に触れるのは非常にデリケートなことなので、「体を預けても大丈夫」という信頼関係ができると、長く通い続けてくださるように感じます。
④オールハンド施術だと、4・5月のコロナ禍はとくに大変だったのでは?
長くこの仕事をしてきましたが、これほど「エステをしてよいのだろうか?」と考えたのは初めてでした。本当に不安が絶えない期間でしたね。ただ、前々から年配の方向けに整えてきた「出張エステ」を実践に移せた機会にも恵まれました。このような中でも、お客様が喜んでくださることがあるということを知れて、改めてこの仕事の意味や大切さを実感できたと思います。
⑤ご自身の健康とも向き合う期間だったと思います。
そうですね、個人サロンを始めてから考えはじめたことでありますが、年齢を重ねていく自分を受け止めて、とにかく長く元気でいるための行動の大切さを感じています。それは、コーヒーをカフェインレスにする、お酒の飲み方に気をつけるなど、本当に些細なことなのですが、それだけでも変化は現れます。健康でさえいられれば、サロンの営業も、家族と楽しく過ごすこともできますからね。
⑥素敵な考え方ですね。最後に、今後の目標を教えていただけますか。
ここ5年は個人でサロンを経営していますが、誰か自分の右腕となる人を育てられるといいなと思っています。それは、店舗を増やそうとか、大きくしたいとかそういうことではなく。自分と志を同じくして、育ててみたいと思える方と巡り会うことができたならば、誰かとまた働くことも素敵だなと感じるんです。
※本記事はエステティック通信8月号より抜粋したものです。