現役エステティシャンの皆さんに仕事へのこだわりや日々の過ごし方をうかがう本誌の好評連載「Esthetician File」。

8月号は「M.Dione」の出田 美佐さんが登場。

結婚・出産を経て、「人にお手入れをすることが好き」という原点に立ち返り、エステティシャンの道へ。八王子の自宅でサロンを開業し、現在は八王子店・京都店の2店舗を運営。「美は力」をモットーに、お客様一人ひとりに寄り添った施術を提供し、心を込めたハンドケアで多くの女性を笑顔にしている。

①エステティシャンを志したきっかけを教えてください。

結婚して子どもができて、「何かやりたい」と思ったときに、ふと「私は人にお手入れすることが好きだったな」と原点に立ち返ったんです。それが、エステティックの仕事をやりたいと思ったきっかけでした。

自分の興味のある分野の講座を、何日もかけてオンラインや対面で講座を受けるなど、勉強しながら友達に練習させてもらうことを繰り返し、八王子の自宅でサロンをオープンすることができました。

②仕事に対するこだわりを教えてください。

一番大事なのは「一人ひとりのお客様のことを一生懸命考えて、心を込めること」。例えば、「今日は疲れているからゆっくり寝たいのかな」とか、「今日はお話を聞いてほしいのかな」といったように、お客様が今どう思っているのか、何を求めてサロンにいらっしゃっているのかを常に先読みし、深く考えるようにしています。

施術では、直接肌を触らせていただくので、心を込めれば込めた分だけお客様にしっかりと伝わります。逆に言えば、適当にやっていれば、手の使い方や肌への触れ方ですぐにお客様にバレてしまいます。手のひらからお客様への想いを伝えられるのはハンドケアならではの醍醐味であり、機械にはできないところではないかなと思います。

③サロンのウリを教えてください。

常にお客様と真剣に向き合い、施術後に心から笑顔になっていただける、そしてサロンにいないときも「あの人どうしているかな」と思い出してもらえるような、心に残る施術をスタッフ全員が心掛けています。特に大切にしているのは、じっくりと時間をかけたヒアリングです。施術内容についてはもちろんのこと、人としてお客様に寄り添い、共感したり、励ましたり、多岐にわたるお話をうかがっています。八王子のスタッフも京都のスタッフも、私と同じ想いを共有し、深く理解してくれていると信じています。だからこそ、お客様が私たちスタッフに心を開いてくださる。このお客様との信頼関係こそが、当サロンの最大の強みであると強く感じています。

④出田さんの強みを教えてください。

私の強みはポジティブな姿勢にあります。できるかできないかは一旦置いておいて、まず何事にも挑戦してみる。まず行動を起こしてみて、そこから少しずつ軌道修正しながら調整していくタイプなんです。ほかの人よりも一歩踏み出すのは早いかもしれませんね。そして、「これは完全に無理だ！」と感じたら、迷わず別の道へスパッと切り替えます。失敗を失敗だとは考えていないので、クヨクヨ引きずることも全くありません。

人生の時間は限られています。だからこそ、そのなかでどれだけ楽しむかが大事。実際に、私は自分自身をすごく褒めます。例えば、少し痩せただけでも「めっちゃ可愛い！」と褒めちぎっています（笑）。悩んでいる時間は本当にもったいない。失敗したとしても「なんとかなる！」という感覚で、日々を過ごしています。

⑤ズバリ、美の秘訣は？

自分を好きになること、今日の自分は最高に可愛いと思うことです。具体的には、何か一つだけでいいので続けていくこと。「継続は力なり」と言いますが、それと一緒で、「美しさ」も力になるんです。私は「美は力」といつも言っていますが、美しい自分を褒める、自分を好きになることで仕事もがんばれたり、今日のテンションが上がったりと、美は何の力にでもなると信じています。

例えば、サロンに来て月に1回お手入れをする。そういったとき、女性は特にウキウキするものです。お帰りになるときの皆さんのうれしそうな顔が、本当に可愛くて私は大好きなんです！

⑥目標や夢を教えてください。

「美しくなったら元気になる」というマインドを、もっと多くの方に知ってほしいですし、皆さんに元気になってもらいたいと心から願っています。そのためにも、まずは足もとをしっかりと固めなければなりません。これからも八王子店、京都店それぞれの課題を真摯に見つめ直し、スタッフがよりよい仕事に集中できるよう、環境の整備に力を入れていきます。そして、スタッフ一人ひとりがプロとして常に自分磨きを怠らないよう、共に成長していきたいです。より多くの方に「M.Dione」を知っていただき、美しさと幸せの底上げをお手伝いできたらと思っています。