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残暑に、コロナに、老化に負けない! ビタミンCのリアルを徹底解剖

その他特集 特集 -

医療・美容業界だけでなく、健康にいいと一般的に広く普及している「ビタミンC」。美白・毛穴・老化……。効果はもちろん知っているけれど、それってプロとして正しく理解できてる?

 

あいまいだったビタミンCの“ホント”を、基本から大解剖!ビタミンCがもつ可能性について、青山ヒフ科クリニック院長であり、ドクターズコスメのハイクラスブランド『ドクターケイ』の開発者でもある、Dr.亀山に編集部がお話をうかがいました。

 

 

 

 

亀山孝一郎先生(皮膚科専門医・医学博士)
世界に先駆け『ビタミンCのニキビに対する効果』と題した論文を発表。この研究をきっかけに、ビタミンC療法の第一人者と呼ばれるように。1999年、青山ヒフ科クリニックを開設。オリジナル化粧品『ドクターケイ』の開発や書籍『毛穴道』(講談社)を監修するなど、活躍のフィールドは多岐にわたる。

 


 

ビタミンC療法の第一人者に学ぶ

ビタミンCのパワー、正しく理解して最大限に活かそう

 

本来ビタミンCとは、空気に触れると酸化しやすく、水に溶かすと活性を失い、また肌への吸収がされにくいという不安定な成分。この欠点をなくそうとほかの分子をつないで、酸化を防ぎ肌への浸透を実現したのが「ビタミンC誘導体」である。ビタミンC誘導体は皮膚に吸収されてから、酵素反応によってビタミンCに変化する。おもに水溶性と油溶性に分類されるが、最近では「APPS」と呼ばれる両溶性ビタミンC誘導体が登場し、さらに浸透力が高まっている。

 

 

ビタミンの濃度とは?

 

水溶性であるビタミンCやB群は、濃度が高いほど効果が高く、浸透しやすいといわれている。Dr.亀山のクリニックでは実際、ジャリジャリするほど高濃度のビタミンCクリームを作って塗布したところ、肌トラブルが改善する患者が続出したという。

 

 

 

ほかの補酵素と組み合わせてよりパワーアップ

 

加齢に伴い、肌は代謝速度の低下、活性酸素によるダメージの蓄積が起こる。アンチエイジングを叶えるには、代謝を上げて活性酸素を除去しなければならない。それを実現するのがビタミンC。そして、それを最大限に活かすためには、ビタミンA・B群、グルタチオンといったほかの補酵素も必要だ。

 

 

 

グルタチオンは酸化したビタミンCを還元し、作用を強くするとのこと。左の写真と比べて右は透明感が格段にUPしているのがわかる。

 

 

 

マスク生活による肌ストレスもビタミンC誘導体におまかせ

 

日々のマスクによる肌ストレスから、肌が荒れ、毛穴が目立つ……なんて人も多いのでは?そんなときにもビタミンC誘導体はあなたの味方。抗酸化作用やターンオーバーの促進、コラーゲンの生成といったさまざまな効果で、マスク下の過剰な皮脂分泌やたるみで開いてしまった毛穴問題を解決。また、紫外線によるダメージにもビタミンC誘導体は効果的。毎日のスキンケアでビタミンC誘導体をしっかり導入することで、マスクにも紫外線にも揺るがない肌が手に入る。

 

 

 

ビタミンA・B群・Cだけでも肌が保湿され毛穴が閉じるが、グルタチオンを追加することによって赤みが消え、毛穴が目立たなくなっていくという。

 

 

 

【ビタミンCコスメの選び方】

Dr.亀山「ビタミンC誘導体の種類を見極めること。濃度もよく見て」

 

ビタミンC誘導体の濃度については、市販の化粧品では2%、医薬部外品では3%の上限が設けられています。定められた上限の範囲内でなるべく高濃度のものを選ぶとよいでしょう。

 

ビタミンC誘導体にはさまざまな分子で構成されているものがありますが、VC-PMG(リン酸アスコルビルMg)という水溶性のビタミンC誘導体は、高濃度でも細胞が壊れず、かつ肌のバリア機能を高める働きを持つので、肌荒れや敏感肌にも効果的。温泉に入って湿疹がよくなったと聞くのは、マグネシウムの効能ですね。私のクリニックではこちらの成分を使用しています。また、ビタミンC誘導体配合の化粧品を選ぶ際は、実験に基づいた浸透結果が出ているかを確認するのがよいでしょう。

 

 

 

体の細胞からメンタル面まで多岐にわたるビタミンCの可能性

 

実はビタミンCは、血管や臓器、脳にとっても大切な成分で、細胞の構成成分であるたんぱく質や脂質、DNAの酸化を防ぐ役目や、血管強化の働きも担っている。また、ドーパミンに作用する、補酵素やミトコンドリアの活性化にも影響を与えるため、やる気に満ちあふれたり多幸感を感じるなど、メンタル面にもプラスに作用することや、代謝促進・炎症の抑制に働きかける一酸化窒素へのよい影響があることもわかっている。肌の悩み以外にも、お客様が内側から美しく輝けるようにビタミンCケアを提案したい。

 

 

 

【ビタミンCサプリの役割】

Dr.亀山「からだの中も抗酸化対策を。1日1,000㎎の摂取を心がけて」

 

サプリメントや外用薬で経口摂取をしても、優先順位の高い血管や臓器、脳などに大部分を使われてしまうため、ビタミンCを体だけでなく肌にまで行き届かせるには、スキンケアとして皮膚からのアプローチと併せ、1日1,000㎎の摂取をめざすのがよいでしょう。

 

また、一度に大量のビタミンCを摂取しても尿として排出されてしまうので、必要量は1日3回にわけて摂り入れることがポイント。ビタミンCやポリフェノールを多く含むアセロラなどの果物もオススメですね。こまめに血中のビタミンCを補充することが大切です。

 

 

 

Dr.亀山から学んだビタミンCの“ホント”をおさらい

 

スキンケア

●美白や肌荒れ、毛穴などあらゆる悩みに有用
●高濃度のビタミンC誘導体ほどアプローチしやすい
●おすすめの誘導体はVC-PMG

 

インナーケア

●1日1,000㎎以上の摂取が必要
●ビタミンA・B群などの補酵素でパワーアップ
●一酸化窒素への働きかけによってメンタル面にも作用

 


 

取材協力・青山ヒフ科クリニック