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薬用でもNG!“シミが消える”はダブルで違反

広告NG事例 業界コラム -

実際に省庁などから注意を受けた広告事例を専門家による解説とともに紹介する本誌の好評連載「広告NG事例ファイル」。今回は、化粧品であるクリームの広告上の表示に対して、景品表示法違反の措置命令が出された例を紹介します

 

 

【内容】

平成31年3月28日

消費者庁は、株式会社Growasに対し、同社が供給する『アルバニアSPホワイトニングクリーム』と称する商品に関る表示について、景品表示法に違反する行為(同法5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、措置命令を行ないました。

 

【措置命令の概要】

(表示媒体)

自社ウェブサイト

(表示内容)

あたかも、本件製品を使用するだけで、短期間で容易にシミを解消・軽減するとともに肌本来の色を白くするかのように示す表示

●「たった3日 塗って寝ただけで20年悩んでいた【シミ】が跡形もなく消滅!!」

●「瞬間シミ消しクリーム」

●「塗って寝るだけで翌朝にはもう変わってる!! 薬用シミ消しクリーム」

●「使用をやめない限りあなたの肌にシミが再び現れることはありません」など

 

【実際】

当庁は、Growasに対し、期間を定めて当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社は当該期間内に資料を提出しなかった。

 

【命令の概要】

本件製品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を周知徹底すること。再発防止策を講じて、これを従業員に周知徹底すること。今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと。

 


【法律家による解説】

 今回の事案は、化粧品であるクリームの広告において、シミが消える、肌の色が白くなるとの表示をしていたところ、合理的根拠がないとして、景品表示法の措置命令が出された事案です。

 

 ところで、化粧品や薬用化粧品(医薬部外品)を規制する法律は、景品表示法だけでなく、薬機法にもあります。薬機法では、これらの表現はどのように扱われるのでしょうか。

 

 化粧品においては、広告可能な表現は56種類に限定されており、その中に、シミが消える、肌の色が白くなるという表現は含まれていません。一方で、薬用化粧品においては、「美白」という表現が認められる場合がありますが、これは、「メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ」という意味で用いられているに過ぎません。結局、シミが消える、肌の色が白くなるとの表現は、薬機法違反でもあるのです。

 

 

アドバイスをいただいた方
弁護士 成 眞海氏
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
TEL:03-5224-3801