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その商品、原産国表示は大丈夫?有名ブランドでも違反アリ

広告NG事例 業界コラム -

実際に省庁などから注意を受けた広告事例を専門家による解説とともに紹介する本誌の好評連載「広告NG事例ファイル」。今回は、海外ブランドの化粧品や雑貨の原産国表示に対して景表法違反の措置命令が出された例を紹介します

 

 

【内容】

令和元年6月13日

消費者庁は、株式会社高島屋に対し、同社が供給する25の海外ブランドの化粧品及び雑貨、147商品に関る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第3号(商品の原産国に関する不当な表示第1項又は第2項)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行ないました。

 

【措置命令の概要】

(表示媒体)

自社ウェブサイト

(表示内容)

対象の147商品について、「原産国・生産国」または「原産国」として、実際の原産国とは異なる国名を記載していた。

(記載例)

対象商品:表示された国名→実際の原産国

●CHANEL一部商品:アメリカ→フランス共和国

●Dior一部商品:フランス→日本国

●GUCCI一部商品:イギリス→スペイン王国

●CHICCA一部商品:日本→中華人民共和国

 

【命令の概要】

実際の原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であり、それぞれ、対象商品の原産国について一般消費者に誤認されるおそれがあるものであるため、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。また、再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。これらを徹底した上で、今後同様の表示を行なわないこと。

 


【法律家による解説】

 今回の事案は、実際の原産国とは異なる国名を原産国として表示していた化粧品などに対して措置命令が出されたものです。これまで、食料品、衣料品、住居品などさまざまな分野において、原産国の表示に対して措置命令が出されています。

 

景品表示法において、原産国とは、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行なわれた国をいいます。食料品や衣料品は、消費者庁から、「実質的な変更をもたらす行為」の具体例が示されていますが、化粧品については示されていません。ただ、化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則において、原産国はその化粧品を製造した事業所の所在する国であるとされています。また、この製造には、ラベルを付けたり、外装を施したり、中身を詰め合わせたりすることは該当しないと記載されており、表示をする際の参考になります。

 

アドバイスをいただいた方
弁護士 成 眞海氏
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
TEL:03-5224-3801