変わらぬ使命感と、変えていく覚悟で、次の10年へ
少子高齢化が進む厳しい先行きのなかで、メーカーとサロンがひとつになって乗り越えていきたい、と語るベルマン村賀社長のインタビュー。
エステティック通信2019年2月号より抜粋
村賀 祐司 株式会社ベルマン 代表取締役社長
15歳の時、祖父であり先々代会長だった村賀忠男氏により村賀の姓と会社を後継して欲しいとの想いを告げられる。2007年、26歳で株式会社ベルマンに入社。一般社員、係長、営業統括、取締役を経て2015年代表取締役に就任。
つねに一歩先の新しい価値を見据え続ける
–貴社の歴史について、また2018年を振り返っていかがですか。
村賀社長 おかげ様で、弊社は創業から100年以上にわたって化粧品一筋で今日を迎えております。1951年には外面・内面・精神面の美が大切であるという「三面美容」を提唱し、198年には業界に先駆けてゲル化粧品を発売。特にゲル化粧品の認知を広めるには苦労いたしましたが、すべては女性の素肌美をかなえるために本当に必要な情報や製品をお届けするという、その信念と使命感で乗り越えることができました。
そして近年、素肌美には重要であると力を注いできた抗糖化もBWJでのご紹介や、糖化測定の体験を含めたセミナーの開催を通じて少しずつ認知をいただいています。抗糖化成分が配合されたクレンジング、ローション、クリームをそろえる『ジュビエ プチア』シリーズをお使いの方々を中心に、2018年広がりを見せその効果を実感いただけるようになりました。
–つねにお客様ニーズの一歩先を考えていらっしゃるのですね。
村賀社長 お客様のニーズに真摯にお応えするためには、たとえ困難な事であっても継続し、変化し続ける覚悟が必要です。弊社がスキンケア以外に頭皮ケアやフルメイクのアイテムをそろえているのも、女性の美しさをつくるすべての面で力になりたいという想いの表れです。本年はとくにヘアケアに注力していく予定で、約20年にわたりロングランを続けているヘアケア製品『PLEINE(プレーネ)』シリーズをリニューアルいたします。ヘアケアはスキンケアとも密接な関係があります。たとえば、せっかく顔や体に適切なケアを施しても、洗髪に強い洗浄力のあるシャンプーを使ってしまうと、洗い流す際に全身をつたっていき、ケアしたはずの顔や体に悪影響を与えてしまいます。また強い洗浄剤の洗い残しも皮膚トラブルや乾燥の原因です。女性の薄毛による悩みも増えている昨今、頭皮の毛穴ケアの重要性や正しいヘアケアについてもお伝えしてまいりたいと考えています。
超高齢化社会に備えメーカーとしてできること
–各サロンとの関係性について考えられていることはありますか?
村賀社長 少子高齢化が進むなかで残念ながら顧客の減少が予想され、普通の事を普通にしているだけでは淘汰される時代が迫ってきていると思います。それは我々メーカーもサロン様も同じで、日々危機感を持って業務にあたらなければならないと思います。
これからのエステティックサロンは、単に化粧品や技術を提供するだけでは立ち行きません。いかにプロ意識を持って、正しい知識と情報の収集、顧客に寄り添うサービスや付加価値を提供できるかが大切であり、そのためには、各サロン様がつねに新しい情報や技術を吸収し、アンテナを張り巡らせておく必要があります。しかし業界内を見ると、横のつながりが薄く、近くのサロン様同士でさえ、情報共有がなされていないのが実情です。何らかの団体に所属しているならともかく、特に個人サロン様ではなかなか情報収集が難しい印象を受けます。
理想は各サロンの先生方に必要な情報や知識を弊社のスタッフが提供して差し上げられることです。まだまだ力不足ではございますが、つねにこの意識を持って日々取り組みたいと考えております。弊社の発展は、パートナーであるサロン様の発展なくしては成り立ちません。いかに痒い所に手が届くサポートをさせていただけるか、弊社スタッフ全員で取り組んでまいります。
–業界の未来において大切なポイントはどんなことでしょうか。
村賀社長 これからさらに加速する超高齢社会に備え、高齢者顧客に対するアプローチにも引き続き取り組んでまいります。やはり女性として生まれたからには、生涯女性として輝いていてほしい。そんな想いから、弊社では数年前から介護業界に向けたスキンケアの提案も行なっております。
いくつになってもきれいな自分でいたいという気持ちを失わずにいれば、年齢を重ねてもお手入れの習慣が自然と続くことでしょう。今、介護施設に入られているメインの世代はエステのよさを知らない方がほとんどですが、これから10年先にはエステのよさを知っている団塊世代の方が増えていきます。そうした時に、サロン様と介護施設をおつなぎすることができればと思っております。
弊社には女性の“素肌美”を追求し、研究を続けてきた104年の歴史と伝統があります。その誇りと想いを胸に、これからも日々研鑽を重ねてまいりたいと思います。