インナービューティの世界発信。医療提携も強化
インナービューティのリーディングブランドとして業界を牽引するプロラボ ホールディングスの2018年、そして今後の展望とは。
エステティック通信2019年2月号より抜粋
佐々木 広行 株式会社プロラボ ホールディングス 代表取締役会長兼CEO
早稲田大学卒業後、一部上場企業を経て、1998年総合マーケティング企業設立。美容関連企業の製品開発、ブランディング戦略のコンサルティングなどに尽力。2002年、株式会社エステプロ・ラボ設立、グループ関連企業の代表も務める。
国内基盤の直営店が充実、海外進出も目覚ましく
–2018年はどのような一年でしたか？
佐々木会長 駆け足で過ぎた一年でした。2月に総合ブランディング政策およびCI戦略の一環として株式会社エステプロ・ラボから株式会社プロラボホールディングスに社名を変更。3月に福岡・天神にエステプロ・ラボTENJIN、8月には横浜モザイクモール港北にエステプロ・ラボYOKOHAMAと2カ所にインナービューティサロンをオープンし、11月にはインナービューティ・エイジングケア・外面美容の、3つのアプローチで革新的なソリューションをご提案できるグランプロクリニック銀座を開院しました。このクリニックは弊社取引先サロン様を医療的な観点からも支えられるよう、医療提携という仕組みをつくり、取引先サロン様の受け皿となれるような未来型のクリニックです。弊社がミッションとして掲げる「人類の健康寿命の延伸に貢献する」へと大きな一歩を踏み出すことができました。
–海外進出も目覚ましい一年だったとか？
佐々木会長 アメリカ進出も果たしましたし、中国では認定ブランドしか出店できないアリババ社直営のTモールへの選出を受けて出店することもかないました。また、韓国ではロッテ免税店内の明洞本店と新羅ホテルの免税店内にインナービューティサロンをオープンしました。現在、同三国にくわえて『エステプロ・ラボ』は香港、マカオ、ベトナム、シンガポールといった国々へ広がり、ドバイ、サウジアラビアや台湾など中東やアジア他国からの引き合いも受けています。海外向けには『プロラボ コンセプト』という姉妹ブランドを展開しているのですが、これをインナービューティにおけるアジアナンバーワンブランドへと成長させることをめざしています。
全世界的にモノ余りの時代に入り、一番大切な原点である健康・美容への気づきが広がったと感じています。人間の体は食べて、吸収したものからできています。医療技術の進歩は目覚ましいのに、がんや生活習慣病の罹患者は増えているという現状から、こうした病が食の変化に起因する食源病であるという事実にみな気づいてきたのです。世界中で豊かさが広がり続けるなかで、弊社はモノを売るだけでなく、製品の背景にある食の選択を普及、啓蒙していきたいと思います。インナービューティや食育の知識を、国内はもとより世界に広めたいのです。そうした意味で、2018年は弊社にとって世界発信への足がかりをつかめた一年であったといえます。
3本の柱を軸に、インナービューティの重要性を世界
–では、2019年の展望はどんなものになるのでしょうか。
佐々木会長 中東やアジア諸国、さらにはヨーロッパへと展開したいと考えています。ファスティングの考え方が普及していない文化もあるなかで、学術研究団体でしっかりと知識を学んだスタッフによるカウンセリング販売を広げ、製品背景にある栄養学や予防医学を定着させていきたいです。
また、弊社はかねてから美容・医療・スポーツの三本柱でミッションの達成をめざしてきました。エステプロ・ラボの内面美容、IWAの運動科学に、グランプロクリニック銀座の医療がくわわった今後は、細胞レベルでの真の健康と若々しさをめざすとともに、未病にも切り込んでいきたいとも考えています。
–エステティック業界においては、どのような役割を果たしていかれるのでしょうか。
佐々木会長 エステティック業界全体の伸び悩みも深刻ですが、その背景にある労働力不足、志望者不足は大きな課題です。これは、サロンやエステティシャンが正当に評価されていないことが最大の原因。参入障壁が低い反面、廃業率が高い業界の特性から、健全経営が難しかったり、各業界団体の足並みがそろわなかったりと、業界の健全化はすぐには難しいかもしれません。それでも、我々業界にかかわる者がともに取り組んでいくべき重要な課題です。実際、日本式のエステティックは海外ではホスピタリティの面などで高く評価されています。そうした日本の誇りを守り、育てていかなければならないのです。
また、認定サロン様向けに「Pro Laboブランディング 経営塾」というセミナーを開催しています。経営戦略のノウハウを伝える全6回のセミナーとなり、ゲスト講師による講演をはじめ、弊社が、そして私個人がこれまでの経験で得たことをお話しさせていただいております。こうした活動や、インナービューティの普及活動を通じ、よりよい業界をめざしていきたいです。
