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クールエステティック流 “おもてなし”の心と 技術を世界へ広げたい

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茂藤 雅彦 株式会社クールプロジェクト 代表取締役

 

インバウンド需要を取り込み成長軌道へ

 

2017年、弊社の数ある事業部のなかで、もっとも大きな飛躍を遂げたのは、コンサルティング事業部とビューティプロダクツ事業部、海外事業部が合同で取り組んでいる海外向け事業です。これは、日本式のエステティックを学びたいという要望にお応えして、海外からツアーを組んで研修希望者を受け入れているもので、金沢や東京の弊社ビルのほか、2017年11月にオープンした富山研修センターにおいて講習会を行なっています。特に中国からの受講希望者は右肩上がりに急増しており、研修において技術を習得するだけでなく、同時に日本の最先端技術を搭載した美容機器や高品質な化粧品を購入、またはそれらの技術・品質を生かしたOEM商品の開発・製品化を依頼されるケースも増えています。

 

こうした流れの背景にあるのは、弊社が展開する「クールエステティック」が、SNSを通じて顧客満足度の高いサロンとして海外にも広く拡散されたことにより、そのブランド価値が高まった点です。弊社に研修に来られる方の多くは、技術よりも経営術、高い顧客満足度を生み出す日本ならではの「おもてなしの心」を習得したいという方がほとんど。特に中国は今、空前の美容ブームとなっており、数多くのエステティックサロンが乱立しています。そういったなか、10年後も経営を続けるために何をすべきなのか。それをしっかりと伝えていきたいと思っています。

 

人間力を磨く投資が企業成長の糧となる

 

弊社の核ともなるエステティック事業においては、2017年も好調な売上を推移しています。ここ数年はスタッフの増員はしていませんが、現スタッフ一人ひとりが高い意識を持ち、しっかりと毎年売上を伸ばしているという事実は誇れるものだと思っています。弊社は全スタッフの約65%が勤続年数5年を超え、10年以上在籍している人も全体の30%を超えるなど、ベテランの割合が増えているのも特徴です。人材の定着率に悩むサロン様が多いなかで、この数字は「人を大切にしたい」という姿勢と、結婚や出産を経ても仕事を続けやすい環境を整えてきた成果の表れだと思います。

 

弊社の人材教育は、何よりもお客様を思いやる心を大切に、お客様に笑顔になってお帰りいただくための「エステティシャンとしての人間力」を磨くことを重視しています。この“土台”がなければいくら技術を教えたとしても成長は望めません。正直、日本と世界を比べても努力して身に付けたエステティシャンの技術には大きな差はありません。しかし、お客様に対するおもてなしの心、顧客満足度を追求する姿勢がまったく違うのです。

 

日本だけでなく世界中から弊社の経営術を学びたいと依頼がくるのは、社員のやる気を引き出す評価システムや企業理念の共有など、スタッフの意識を変える施策を取り入れながら、手に職をつけて、生涯、長く働ける環境を提供してきた経営理念にはじまるクールの哲学に共感していただいているからです。「うちも同じ理念でやる」と、志を共にする海外の経営者が多いのもこのためです。

 

2018年はオリジナルコスメ「ボーテ・ド・クール」から新アイテムの発売も予定していますし、ネット上でサロン経営が学べる動画配信サイト「クールムービー」や、ご好評いただいている「茂藤塾」の研修内容も充実させていくつもりです。ジャパン・ビューティの素晴らしさを世界へと広める、そんな一年をめざします。

 

 

茂藤 雅彦 MASAHIKO MOTO
株式会社クールプロジェクト 代表取締役
大学(薬学部)を経て、医療機器販売会社、外資系大手保険会社(ファイナンシャルプランナー)での勤務を経て、2002年に株式会社クールプロジェクトを設立。自らが登壇する教育セミナーは各方面から話題を集め、参加者が殺到する。現在、国内外で幅広く事業展開中。