医療と美容のコラボレー ションで業界を健全化 、健康美の実現へ
笠原 征夫 SEIFU KASAHARA × 田原 一郎 ICHIRO TAHARA
・・・・・・お二人はどのようなきっかけでおつきあいをスタートされたのでしょう?
笠原会長(以下笠) クリニックで医療機器を導入していただいたのが最初のきっかけです。田原先生はクリニック運営に限らず、4年連続で「ミスユニバース日本大会」の審査員を務められるなど、積極的に活動されている方。弊社の製品開発もサポートしていただけるのではないかと、開発段階の『リオキシー』のデモ機をお試しのうえご意見をとお声がけさせていただいたのです。
田原医師(以下田) 製品についての評判は医師仲間からうかがっていました。実際マシンを使ってみると聞いた通りの効果を実感でき、販売のための脚色や誇大広告というものがないことを感じました。御社のそうした姿勢は信頼関係につながりますね。
笠 ありがとうございます。お客様との信頼関係は絶対に欠かせないものです。さらに、基本的な信頼関係ができるとみなさん「メンテナンスは大丈夫?」とおっしゃいます。築いた信頼を保持するため、弊社ではメンテナンスにも全力投球して、十数人体制で臨んでいます。
田 マシンの故障はよくあるものですが、マシンありきで予約を確保している以上、それが使えないとなると死活問題です。故障が少ないことはもちろん、トラブル時に迅速に対応してもらえるというのは本当にありがたいことです。
美容業界に変化が起きている今は、健全化に取り組むべき
・・・・・・田原先生は、ミスユニバースでも活動をされていますよね。
田 当日の審査員と、地方大会を勝ち抜いたファイナリストを集めたビューティーキャンプでの講義を担当しました。公認講師として医学的見地から美の維持とアンチエイジングを考える内容をお話し、関心高く聞いていただけました。後日ご来院いただいた方も多数いらっしゃいます。
笠 そうした多角的な活動を通して、美容意識の高い方のご意見が聞けるのもうれしいこと。医学的見地からのご意見もありがたく受けています。今後もさらに弊社製品の検証をお願いしたいものです。
・・・・・・昨今の美容クリニック、美容サロンの状況について、どう捉えていますか?
田 美容医療へのハードルは低下しており、従来の手術中心の美容外科ではなく、メスを使わない美容皮膚科の認知も高まっています。マシンでの施術が中心となる美容皮膚科ではダウンタイムが少なく痛みのない、安心感のあるメニューが求められており、そうなると当然、性能の高いマシンが必要となってきます。
笠 私は美容クリニックがもっと増えるべきだと考えています。同じマシンでも出力設定や扱い方などでまったく効果が違ってきます。皮膚科学を熟知するドクターだからこそ引き出せるマシン性能があるのです。
田 確かに、使い方によって同じ機械でも効果が違うというのはありますね。ドクター、ナース、エステティシャンの垣根なく、技術や知識の向上は現状求められていると感じます。
笠 いまや美容業界において、医療の存在は見逃せないものです。技術、知識の面で美容と医療がコラボレーションすることこそ、今後の美容業界の発展には欠かせないものでしょうね。
田 以前は一部の限られた人のものであった美容医療が、現在ではより美意識の低い層にも広がっています。従来の整形手術などは考えられないが、マシンでの施術は受けたいと来院される方、男性のご来院も増加傾向にあります。
笠 だからこそ、業界全体の健全化が必要なのです。
田 残念ながら美容クリニックもさまざまで、売上重視で医師に発言権がない院や、医師不在で運営されているところも。ニーズが高まっている今こそ、安全で効果の高い施術を提供することが求められているのに。
笠 そのためには、われわれメーカー側の意識変革も必要です。従来の価格基準は捨てて、いい機械を広く普及させること。そして、普及させた機械を正しく使ってもらうための教育が絶対必要です。エステティックに制約がないのはやはり非合理であり、大問題。資格制度の制定はハードルが高くても、たとえばエステティシャンを登録制にするなど、現状に即した現実的な案はあると思うのです。長く放置されてきた問題ですが、議員立法など道筋は徐々に見えてきていると感じます。業界の健全化には、医療サイドの先生方と手を携えて、取り組んでいきたいですね。
2018年はさらに複合的な活動を
・・・・・・本年の展望をお聞かせ願えますか?
田 「体の中から健康に、きれいに」をテーマにしたダイニングカフェ「TI ダイニング」を表参道で、医師監修で結果を出すパーソナルトレーニングジム「TI フィットトレーニングハビット」を恵比寿で運営しています。クリニックの認知を高めるためでもあるのですが、啓蒙的な意味合いもあり、医師の立場で責任を持って取り組むことで、こうした施設が増えて欲しいと思うのです。本年もこうしたプロデュース業には積極的に取り組んでいきたいですし、いずれはこうした施設をまとめた複合ビルなど、構想は膨らんでいます。
笠 弊社の基本的なテーマは「美しく、楽しく、長生きを」であり、10年前から富士山の麓で酵素断食宿泊施設「北斎エンザイム デトックススパ」を運営しています。いずれはここも複合的な施設へと発展させていければと考えており、先生のプロデュース施設と根本的な考え方は同じかもしれませんね。また、弊社では4年前中国に工場を作ったのですが、メイド・イン・ジャパンへのこだわりから質を維持する技術者の確保に苦心し、ようやく昨年2機種を生み出すにいたりました。2 0 18年は弊社創立15周年イヤーでもあり、さらに痛みや圧迫感を軽減し、ダウンタイムもない痩身新マシンの発表も予定しています。日本の技術力を結集したこれらのマシンで、世界へと大きく羽ばたく年にしたいですね。
笠原 征夫 SEIFU KASAHARA
グローバルサイエンス株式会社 会長
電通、製薬会社、化粧品会社を経て33歳で独立。独立当初は化粧品のOEM会社だったが、エステティックサロンにおける美容機器の潜在的需要に目を付け美容機器の開発製造に着手。また富士山の麓に酵素ファスティングを中心とした北斎スパを開業する。現在は、医療機器の開発も始め、最先端の美容医療をめざしている。