SNSの使い方も指南! 第10回AEA認定校会議レポ
一般社団法人日本エステティック業協会(東京都千代田区、理事長 天辰文夫、略称:AEA)は、2018年12月11日(火)に、都市センターホテル(東京都千代田区)にて、第10回 AEA認定校会議 を開催した。
エステティシャンが人気職業になるように働きかけたい
AEAは、大手エステティックサロンの経営者・運営会社を中心とした業界団体で、企業と専門学校(認定校)とのパイプ役や業界外へ向けたエステティック業の啓蒙活動など、独自の活動を多く行なっている。
開催に際して天辰理事長は、人口減少による労働人口の低下にふれ「将来エステティシャンを増やすには、企業が労働条件を整え、学校はしっかり教育を受けた学生を輩出する。そういった連携が取れないと人材確保は上手くいかない。再び、エステティシャンが人気の職業となるように働きかけていきたい。今日は色々学んでいただければと思う」と、想いを伝えた。
勉強会では生徒の確保が重要課題に
会議には、全国のAEA認定校・正会員・賛助会員などが参加。今年度の活動報告では、経済産業省こどもデーにエステティック業が初めて出展したことを報告。体験した子供達のなかには、エステティシャンをいう職業を知らなかった子も多かったという。また、保護者に対しエステティシャンがどのような勉強をするのかを伝えると「こんなに勉強していると思わなかった」という声が多く聞かれた。その他、テキストの改定・認定講師アシスタント制度の廃止などが報告された。
活動報告に続き行なわれた勉強会では「集客のヒント!学生集めの方法は?」と題し、AEA認定校による学生集めの成功事例が発表された。特に気になったのは、滋慶学園グループ ベルエポック美容専門学校の活動。専門学校の数は減らないのに、生徒になる18才人口が年々減少する中、SNSを利用した広報活動は必須になってきた。
SNSを駆使した成功例も発表
ベルエポックでは、まず学生が実際どのメディアを使っているのかを分析した。これによると、昨年はTwitterが1位・2位がInstagramと他を大きく引き離しこの2つが利用されていた。しかし、今年はInstagram、なかでもストーリーが良く見られていると発表。同校では、拡散力のあるTwitterと、それほど拡散力はないが、好きなジャンルを検索して見るというInstagramで掲載する内容を変え活用しているという。
具体的には、Twitterは主に、授業風景やオープンキャンパスなど広く沢山の人に知って欲しい広報内容を、Instagramでは生徒の作品をアート写真風に撮影するなど、そのアプリ特性に合わせてブランディングに繋がる内容を掲載している。また、同じベルエポックでも原宿校に入学してもらうための活動として、東京ガールズコレクションの裏方やジュノンボーイコンテスト出場者へのスタイリングなど、ターゲット世代が憧れるイベントと生徒とのコラボも積極的に行っている。
さらに、講師の中でLINEグループを作り、授業風景の写真などはこちらにアップ。広報担当がその中から写真をピックアップして掲載することで、作業効率やクオリティーアップにも繋げていた。出席者の多くは、残念ながらSNSを上手く活用できていないようで、スライドを写真に収めるなどしている姿がみられた。同校の成功事例は具体的で、とても参考になった印象だった。
グルコン酸ヘキシジンの注意喚起も
また、「グルコン酸ヘキシジン【使用上の注意】改訂について」と題し、生徒が使用する際「十分注意すること、もしくは代替品を用意する」という注意喚起も行なわれた。
グルコン酸ヘキシジンの注意喚起が出されたのは、2017年(平成29年)10月17日。各都道府県衛生主管部(局)長 に宛て、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長より通達が出されている。
これは、製造メーカーに対して出されたものだが、エステティックの現場でも、主にガラス類・獣毛類・合成ゴム素材・陶磁器類・合成樹脂素材・鉄素材・ステンレス素材などの消毒として利用されており、クロルヘキシジングルコン酸塩水溶液消毒も同じ。製品名としては、ヒビディール・ヒビテン・ラボテックなど。これは、美容ライト脱毛実技理論の教科書の中でも器具類・タオル・布片類・手指・皮膚の消毒としても紹介されている。
サロンでもスタッフに対し「体質によってアナフィラキシーショック症状が現れることがある」と伝え、呼吸困難・蕁麻疹・血圧低下などの兆候が見えた場合どのような対処をするのかを再確認し、リスクを踏まえて代替品に変更するなど、事故が起こらないよう、十分に注意を払う必要があるとアナウンスされた。
ヒビテンは医薬品のため、現在はアルコール消毒に切り替えられているケースが多いというが、これらの注意事項は「取り扱い説明書」に記載されている。読み飛ばしがちな取り扱い説明書だが、お客様・スタッフの安全を守るためには、しっかりと読み込むことが必要だと実感した。
後半では、AEA認定校と会員企業との就職・求人支援交流会が行なわれ、北は北海道から南は沖縄まで27社の認定校が参加。各認定校のテーブルをサロン運営企業採用担当者が各校ブースをまわり、積極的に名刺交換をするなど交流を深めていた。
取材・文 永山泰子(美容経済新聞社)
お問い合わせ先 一般社団法人日本エステティック業協会
http://www.esthesite.com/