【業界レポ】BWJで見えた「売り方」の変化とは?
みなさん、Beautyworld JAPAN (略称:BWJ)には行きましたか?
毎年、この時期を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。東京オリンピックの影響で「会場を変えるのでは?」という噂もありましたが、例年どおり、東京ビッグサイトにて開催されました。昨年より3,239名増の76,273名が来場し、会場は盛り上がっていました。
さて、今年のBWJの特徴は??
■契約期間なしのレンタル脱毛機器・打ち放題の脱毛マシンが登場!
今回のBWJでは、正直「これは新しい!」という成分や製品は見当たらず…ただ、販売の仕方が変わった!と思うものがありました。特に「脱毛機器」。
美容ライト脱毛などのメニューは毛周期に合わせ数回通うことで結果が出るため、必然的にコースを組むことになります。そのため、高額契約が見込めるものの、集客に不安があるサロンは機器購入をためらうこともあるのではないでしょうか?
BWJ 2018では、最低1カ月からレンタル可能な機器が登場。「レンタルは昔からあるよね?」と思うかもしれませんが、その内容が変化していました。はじめに専用ハンドピースのみを購入し、あとは月6万円ほどのレンタル料金で脱毛をスタートすることができます。契約期間にしばりがないため「脱毛客が減る冬場はお休み」など、繁忙期だけのレンタルも可能とのこと。お休みできるシステムは画期的ですね!
また、打ち放題・メンテナンスフリーをうたう企業が出展していました。脱毛器の、ハンドピースに装着するヘッド部分のランプは消耗品。10万発・30万発などショット数が決められており、そのたび高額なランプを購入し取り替える必要があります。規定のショット数を超えて打ち続けていると、光が安定しないため、火傷の原因になったり、毛が抜けなくなったり……(もし、知らずに使っている方がいたら即メーカーに確認してください!危険です)。
打ち放題・メンテナンスフリーとは、ランプも混みでリース料が設定されているため、途中で大きな金額が動かないというものでした。これなら、小さなサロンでも購入できそうで、メニューが広がりますね。
■技術のブースが増え、スペースも大きくなった!
数年前は、機器ブースや粧材販売ブースの印象が強く、技術のブースは1~2ブースほどと小さかった印象ですが、技術をメインにするブースも数を増し、さらに広いブースで出展するブースが増えているように感じました。
また、化粧品や痩身粧材を提案するブースでも、粧材+技術を提案する企業が増加! 技術系の新メニューごとサロンに導入して、より結果につなげる=売上を上げる提案が増えているように思います。
また、スカルプ粧材・スカルプケアも数社が提案していて目立ちました。
ここ数年、新しい理論の機器が出て来ないこともあり、再度、技術に目を向け始めているのかもしれませんね。
■広告っぽい作りのブースが減少!
「今年は、なんだか場所が覚えづらいな」と感じたのですが、ふと全体を見渡すとその理由がわかりました! それはブースの壁紙。脂肪燃焼!、水素、ヒト幹細胞培養液!など、いわゆる「広告的表現」のブースが少なくなり、社名やメインイメージを大きく掲げた、オシャレでシンプルなブースが多くなったように感じます。
これは、協会団体などの働きかけもあり、看板に「〇cm痩せる!」「トラブル肌改善!」「美白!」など、広告に書けないような表現を大きくうたう企業が減ったこともあるかと。
数年前は、看板を見て回るだけで「水素が流行っているな」とか「ヒト幹細胞培養液コスメが10社もあった!」など流行が見えたものですが、今、大きく書いているのは社名か商品名。となると、ブースでしっかり説明を聞いてみないとわからない。目玉になる用語が減っていることもありますが、一時の「即売会」から、本来の「展示会」「見本市」に戻ってきているように思いました。
■7ホールが大盛況!
昨年より新設された、商談を中心とした7ホールの「プレミアムホール」。昨年は、認知度が低かったこともあり、正直閑散とした印象でしたが、今年は、ほかのホールと同じように来場者が入っていたように思います。途中、受付カウンターを7ホールのみに絞る、メインステージを7ホール奥に設けるなど、主催者側の工夫も功を奏していたと思います。出展社からも「ゆっくりご体験いただけて、話ができたのがよかった」という声も聞かれました。
一方、8ホールのヘアのブースは少し地味になったように思えました……。また、美容師免許がないと施術できないまつエク・まつ毛商材が4ホールの端と、ヘアゾーンと離れていたせいか、まつエクゾーンも少し人が少ないように思いました。少しもったいないですね。
■小スペースで売上アップを狙う製品が増加
数年前から注目され始めた、セルフホワイトニング機器にくわえ、ピンクの光を放つコラーゲンマシンが卓上用と小型化されて登場するなど、小スペースを利用した「サイドメニュー」「サイドビジネス」が気になりました!
驚いたのは、スマホの画面などの、ガラスや陶器などを強化するサイドビジネス。え?なぜBWJで? と思ったのですが、ネイルを塗るように専用溶液を画面に塗り、乾かすだけで硬化できるそうで、机一つあればネイルサロンやまつエクサロン、美容室、エステティックサロンどこでも取り入れ可能。
最近、フェイシャルと違い「終わり」がある脱毛専用サロンで、サイドビジネスに注目する動きもあり物販とはまた違うサイドビジネスは、これから増える予感がしました。
■総評
このように、販売システムの変化や、セルフケア機器やサイドビジネスなど、エステティック通信の読者層でもある、小規模~中規模のサロンでも取り入れやすい製品が増えています!これを機に新たなメニューを増やしてみてはいかがでしょうか?
アナリスト:ながやまやすこ