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【2017 年頭所感】特別インタビュー 経済産業省 江崎 禎英氏

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美容は社会とつながるパスポート
2017年、エステティック産業に期待すること

 

経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課課長 江崎 禎英氏

 

新年明けましておめでとうございます。

毎年、「エステティック業はこれから伸びますか」というご質問をいただくのですが、「視点を変えれば必ず伸びますよ」とお答えしています。

日本はすでに超高齢社会を迎えており、高齢化率は今後さらに高まっていきます。生物学的なヒトの寿命は120年ありますので、人が健康で長生きすれば、社会は必ず高齢化します。日本には「還暦」という言葉がありますが、60歳で還暦を迎えるということは、きちんと生きれば暦が2周するのです。しかし、現在の社会経済システムは、高度経済成長期に形成されたもので、この頃の人口は1周目の人生を生きる60歳以下が大半でした。

定年後は文字通り「余生」でした。しかし、高齢化が進み、多くの方が2周目の人生を元気に生きるようになると、この方々の居場所やサービスが無いことに気付きます。超高齢社会を迎えた今、2周目を生きる方々がどのように人生を楽しむかという問いにサービス業が応えなければなりません。

ヒトは「社会的な生き物」だといわれています。本能的に人と関わりたい欲求を持っています。しかしその一方で、人からどう見られるか、変に思われないだろうかという心配も大きいものです。出産・育児のためにしばらく家に閉じ籠もっていたお母さんに人気ナンバーワンの社会復帰講座は『手早いメイクの仕方』だといわれています。

つまり、身だしなみを整えることは、人とつながり関わるための重要な儀式なのです。今後高齢化が進み、家に引き籠もりがちなお年寄りにとって、エステティックは特別な人の贅沢品ではなく、社会とつながるための大切なパスポートと見るべきでしょう。少し視点を変えることによって、エステティック業がもっと多くの方々を幸せにすることができることに気付いていただきたいです。

ただしそのためには、これまでの施術に加え、栄養や運動、歩き方など幅広い知識が必要になります。“自分たちがお客様を健康で幸せにする”という高いプロ意識とプライドを持つとともに、人を輝かせる素晴らしい職業であることを社会的に認知させることが重要です。そうすれば、学生さんの就職先として人気が高まり、業界が抱える深刻な人材不足も改善されるのではないでしょうか。

日本のサービス業が得意とするのはホスピタリティです。つねにお客様の満足度を考えて行動する姿勢は世界の追随を許しません。ビジネスにおける最高のPRは、感動したお客様のクチコミです。お客様の立場に立って新たなメニューやサービスを創出していくこと。エステティック業がこれから伸びるかどうかは、第一線で働く皆様が、そうした意識を持って取り組まれるかにかかっているのです。

2020年のオリンピックに向けて、ぜひ『日本式』『日本発』と名前がつくような、日本ならではのエステティック業が登場してほしいですね。
皆様の挑戦を期待しています。

 

経済産業省 商務情報政策局
ヘルスケア産業課課長 江崎 禎英

 

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