支援を続けて39 年 細胞増殖研究の視点から ヒト幹細胞の質を追求
笹山 博史 株式会社セントラル・コーポレーション 代表取締役
ヒト幹細胞を配合・細胞増殖化粧品の研究者として
近年、化粧品業界は大きな革命の時代を迎えています。以前は有用成分を肌に塗って保護保湿を図る保護化粧品が主流でしたが、iPS細胞をはじめとした細胞再生医学の進歩に伴い、近年エステおよび美容専門家がこぞって細胞増殖化粧品を使い始めました。なかでもヒト幹細胞化粧品は大きな話題を集めています。幹細胞とはどんな細胞にもなれる、いわば万能細胞で、私が長年研究を続けてきたEGFやFGFといった成長因子も含有されています。医学ではリセル(細胞再生)という研究が進んでおり、これにより「60歳の人を40代の印象にする」ことができるであろうと思っています。
一昨年末あたりから化粧品業界は幹細胞ブームになっていますが、幹細胞化粧品を扱ううえで注意が必要です。まずは配合率を確認しなくてはなりません。というのも、現在日本に流通しているものは、1滴配合しただけで「幹細胞化粧品」と呼ぶことができるのです。しかし、少量では効果に期待ができません。一般的なヒト幹細胞には成分によって濃度の違いがあり、主成分であるECM物質(フィブロネクチン、コラーゲン)が多く含まれている幹細胞原料の場合、10倍以上も濃度に開きがみられる場合があります。また、人間の細胞を活性させるには「ヒト由来」であることが絶対条件です。細胞を活性させるためには細胞内の特定の形をした鍵穴(レセプター)に、ピッタリ合う鍵(リガンド)となる物質が必要であり、「ヒト由来」には細胞のレセプターに一致するリガンドとなる成長因子やサイトカインが豊富に含まれています。これが細胞活性・増殖の基本知識です。
最後に、ヒト幹細胞は生物由来原料のため、安全性に関するデータもチェック対象ということです。一例をあげると、食品医薬品安全庁の化粧品原料指定に関する規定などをもとに、毒性試験やウイルス検査などで、データや根拠に基づいた安全性を確保しているかなどを確かめることが必須です。
一獲千金のジャパンドリームをかなえる支援を
当社では、100個という小ロットから新しい処方の化粧品を製造させていただきます。また、私たちはさまざまな原料を世界中から探していますので、主成分のフィブロネクチン濃度が25倍の幹細胞原料と出会うことができました。昔は衣食住が必需品でしたが、今は化粧品も欠かせないものになりつつあります。化粧品はリピートが期待できますし、発売元になれば価格競争で悩むこともありません。作るなら細胞増殖化粧品が断然おすすめ。差別化が図れます。こういったことを含め、トータルで支援をさせていただいております。
相手の心が見えなければよい提案はできません。社内には「目配り、気配り、心配り」という貼り紙をしているくらいです。人間は経験や環境によって考え方や感性が異なるので、相手の心に合わせて商品開発すべきです。そして、それを売るためには相手に合わせた見せ方でなくてはなりません。パッケージや広告を含めた提案をさせていただくため、弊社にはデザイナーが在籍しています。うそのような話ですが、20 個売れれば元が取れる。勇気を持って最初の一歩を踏み出していただきたいと思っています。
来年の展示会ブースは「不思議の国のアリス」をイメージしています。夢という入り口から現実・実現という出口まで誘導してさしあげたいという想いをこめています。一獲千金を夢見るアメリカンドリームならぬ「ジャパンドリーム」をかなえる支援をしたい。39年間そう思い続けています。