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 『米由来グルコシルセラミド』の摂取で保湿力因子が増加

業界ニュース -

健康食品・化粧品の総合受託(ODM)メーカーの株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、『米由来グルコシルセラミド』の摂取により肌の保湿力に関係する角層セラミド量が増加することを、ヒト試験にて確認、発表した。

「グルコシルセラミド」は、植物に含まれる糖脂質〔注1.〕のひとつで、肌の保湿力を高める作用があることで知られている。 日本人の主食である「米」から抽出、精製して得られたものが「米由来グルコシルセラミド」。 同社ではこの「米由来グルコシルセラミド」の経口摂取が角層セラミド量〔注2.〕を増加させることを確認し、一丸ファルコス株式会社と共同で、日本食品科学工学会第62回大会(2015年8月27日(木)~8月29日(土)、京都大学吉田キャンパス)において発表した。

「角層セラミド」は、肌の最上層の角層の細胞間にある脂質成分のひとつで、油となじみやすい親油基と、水になじみやすい親水基を有しているため水分を抱え込むことができ、肌の保湿に重要な役割を担っている。また、角層セラミドの量は加齢とともに減少していくことも知られている1)。
グルコシルセラミドは、細胞や動物を用いた研究では角層セラミドの産生促進作用をもつことが確認されている。しかし、ヒトを対象とした研究では経口摂取による経表皮水分蒸散量の抑制作用は示されているものの、角層セラミドの産生促進を観察した報告はほとんど無かった。そこで同社では今回、ヒト試験にて「米由来グルコシルセラミド」の摂取による角層セラミド量への影響を検証した。

乾燥による肌荒れ、もしくはかゆみを自覚する健常成人男女を対象に、プラセボ食品(プラセボ群)/米由来グルコシルセラミドを低用量含む食品(低用量群)/米由来グルコシルセラミドを高用量含む食品(高用量群)を1日1食、12週間(3ヶ月)継続摂取させ、角層セラミド量の変化を観察した。その結果、上腕部の角層セラミド量が高用量群で増加し、米由来グルコシルセラミドが肌の保湿力を高める作用を持つことが示唆された。

今回の研究結果によって確認された角層セラミド量の増加は、「米由来グルコシルセラミド」が肌の保湿力を高める作用を持つことを示唆するものであり、加齢とともに減少する角層セラミドの維持にもつながると期待できる。

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〔注1.〕 糖脂質: 1個以上の糖が脂質と結合したもの。 米を含む植物やヒトなどの動物組織に広く含まれる。
〔注2.〕 角層セラミド: 肌の最上層である角層の細胞間にある主要な脂質成分。 肌の保湿力に重要な役割を果たしており、角層セラミド量と、肌の保湿力の指標である経表皮水分蒸散量(少ないほど保湿力が高い)は負に相関することが知られている。また、角層セラミドは年齢とともに減少することなどが示されている 1)。
1) =参考文献=
Imokawa G, Abe A, Jin K, Higaki Y, Kawashima M, Hidano A: Decreased level of ceramides in stratum corneum of atopic dermatitis: an etiologic factor in atopic dry skin?, J Invest Dermatol, 96(4):523-526 1991

●関連サイト 株式会社東洋新薬