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「先着○名様限定」ウソ発覚で1億円超の罰金命令!広告NG事例

広告NG事例 -

 

実際に省庁などから注意を受けた広告事例を専門家による解説とともに紹介する本誌の好評連載「広告NG事例ファイル」。今回は、なんと巨額の課徴金命令が出た例をご紹介します!

 

 

【内容】

平成30年10月31日

消費者庁は、株式会社シエルに対し、同社が供給する『めっちゃたっぷりフルーツ青汁』と称する食品に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第2号(有利誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づく措置命令及び同法第8条第1項の規定に基づく課徴金納付命令を行ないました。

 

 

【措置命令の概要】

(表示媒体)
自社ウェブサイト

(表示期間)
平成27年12月10日から平成28年12月29日までの間

(表示内容)
あたかも、毎月300名に限って本件製品の定期購入を開始できるかのように示す表示

●「初回¥680コース※税抜」
「毎月先着300名様限定」
●「先着順となっておりますので、毎月300名様に達しましたら終了とさせていただきます。」
●「毎回自動お届けコースとなり、2回目以降の価格は3,980円(税抜)となります。」

など

 

 

【実際】

本件製品の毎月の新規購入者数は、300名を著しく超過していた。

 

 

 

【命令の概要】

再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。今後、前記の表示と同様の表示を行なわないこと。

(課徴金の額)
シエルは、平成31年6月3日までに、1億886万円を支払わなければならない。

 

 

 


【法律家による解説】

景品表示法では、商品や役務の「価格その他の取引条件」について、実際よりも著しく有利であると一般消費者を誤認させる表示が、不当表示として禁止されています。価格以外の「その他の取引条件」は、製品の数量、対価の支払条件など多岐にわたります。
今回の事案は、毎月先着300名に限って、安い金額で商品を購入できるかのように表示していたのに、実際には先着人数の限定はなきに等しかったというものです。確かに、消費者が安い金額で商品を購入できているのは同じですから、実害はないようにも思えます。しかし、先着300名ではないことを知っていれば、もう少し検討し、購入しなかった人もいたはずです。このように、表示と実際との相違を知っていれば、消費者がその商品を購入しなかったという関係があれば、それは不当表示になるのです。

 

 

アドバイスをいただいた方
弁護士 成 眞海氏
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
TEL:03-5224-3801