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第74回美容ライト脱毛安全講習会を開催

業界ニュース -

2018年11月15日(木)国際ファッションセンター(東京都墨田区)にて、一般社団法人日本エステティック振興協議会(東京都台東区、理事長 瀧川晃一)主催『第74回美容ライト脱毛安全講習会』が行なわれた。

「美容ライト脱毛安全講習会」は、専門家による教育講習を通して受講者に、美容ライト脱毛に関する基礎的な知識を得ていただくことを目的とし、お客様への「安全」「安心」を確保するための取り組みとして開催している。

 

 

日本エステティック振興協議会が推進する美容ライト脱毛のあり方


はじめに、同協会 美容ライト脱毛委員会 委員長の浦 能久氏より「日本エステティック振興協議会が推進する美容ライト脱毛の在り方」に関する講義からスタート。

 


振興協議会を構成する3つの協会団体および、各省庁や関連団体などが示され、次いで振興協議会が発行する技術者IDに関する説明が行なわれた。


美容ライト脱毛は、脱毛だけを行なう施術者と、脱毛メニューもできるエステティシャンとで教育制度が違う。この日行なわれた安全講習会に合格すると、「認定美容ライト脱毛技術者講習会」の受講が可能になる。講習終了後の試験に合格すれば、認定美容ライト脱毛主任技術者のIDカードが取得できるという仕組みだ。

脱毛のみを行なう技術者は筆記試験のみで終了だが、美容ライト脱毛のほかにフェイシャル・ボディなどの施術を行なうエステティシャンについては、実技試験を受け合格すると、IDとは別にディプロマが発行される。

浦氏はほかにも、機器の安全性を審査する「美容ライト脱毛適合審査」の内容や、なぜその審査が必要なのかといった機器に関する基礎を紹介。かなり専門的な内容だけあって、眠くなってしまうヒトも。しかし、ただ受ければよいというものではなく、すべてを理解し覚える必要があるため「隣の方は起こしてあげてください」と注意が促された。

 

美容ライト脱毛機器の原理



次に、公益財団法人医療機器センター・一般財団法人福島医療機器産業推進機構 理事長で医師の菊地眞氏が登壇。「美容ライト脱毛機器の原理」についてと題した講義が行なわれた。

菊地氏は、「感覚的に理解できるように」と教科書やスライドをあえて使用せず、頭の中にイメージできるよう「光」に関して順を追って説明。はじめに、私たちが目に見えている光は、携帯電話に使用されている電磁波やケーブルを通して送られる電気の仲間であると解説。目が色として認識する電磁波の波長や、そもその波長とは何なのか? などを、子どもでもわかるような簡単な言葉を使い紐解いた。

この光の原理がわかっていないと、いざお客様に「なぜピカッと光るだけで、毛が抜けるのですか?血液に影響はないのですか?」などと質問されても答える事ができない。また、覚えるのではなく感覚で体得することで、より早く判断しお客様を危険から守ることができると、原理を知る重要性を伝えた。

 

 

カウンセリングの実務・衛生管理の基本



午後からは、認定美容ライト脱毛エステティシャン 轟木美穂子氏より「カウンセリングの実務・衛生管理の基本」をレクチャー。
お客様の中には、1回のトリートメントで脱毛が終了すると思っている方もいる。そういった方には部位ごとの毛周期の違いや毛周期に合わせたトリートメント期間やリスク、トリートメント前後のケア方法などをしっかりと説明し、ご理解いただいた上で契約する必要がある。
この講義では、理解不足によるトラブルを避けるためのカウンセリング方法を紹介するとともに、菌やウイルスに関する基礎知識と、器具の正しい消毒方法などを学んだ。

 

 

美容ライト脱毛の有効性と安全性




メディカルプラスクリニック新宿の院長で医師の林和弘氏が「美容ライト脱毛の有効性と安全性」についての講義が行なわれた。

医師が行うレーザー脱毛と美容ライト脱毛に関し、毛周期や肌への影響をレクチャー。美容ライト脱毛による副作用が起こった時、どのような対処を行なえば良いのか、医療ではどのような処置を行なうのかなどを紹介。医師ならではの目線で、エステティックで行なう美容ライト脱毛の意味と安全に施術することの大切さを伝えた。

 

 

美容ライト脱毛トリートメントの実務



最後に、認定美容ライト脱毛エステティシャン 山下久美氏より「美容ライト脱毛トリートメントの実務」に関する講義が行なわれた。
美容ライト脱毛は、黒いものに反応する波長の光を仕様としているため、シミや色素沈着、タトゥーなど避けて照射しなければならないものがある。また、内科疾患や光アレルギーなど体質によっても施術を受けられない方がいる。その見極め方法や、光線過敏症を起こす薬の種類、施術時の避ける部分の処理方法など、「実務」だけあって、すべて完全に覚えなければならない必須項目ばかり。

講義後すぐに試験が行なわれるとあって、参加者はメモを取るなどして皆真剣に耳を傾けていた。最後にマークシート式の試験を受け約7時間の講習が終了した。合格者には後日合格証が送られる。

 


取材・文 永山泰子(美容経済新聞社)

お問い合わせ先 一般社団法人日本エステティック振興協議会
http://esthe-jepa.jp/