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幹細胞コスメを正しく知るための9の質問

今や新世代のエイジングケア成分として高い人気を誇る「幹細胞培養液」。人気だからと手に取ってみたものの、イマイチよくわからないな?どう使うのが効果的なんだろう?という人も多いはず。

今回は、ヒト・動物・植物、それぞれの幹細胞と培養液、配合化粧品を選ぶポイントなどを9つのポイントにわけてご紹介します。

 

Q1.

そもそも幹細胞ってなに?


A.

別の細胞になることができる特殊な細胞のことです。

細胞分裂を繰り返して同じ細胞を増やせる能力(自己複製能)と、自分とは違った細胞になる能力(分化能)を併せ持った細胞のことをいいます。ヒトの場合、私たち自身を作り立ち、形成するすべての細胞になれる「全能性幹細胞」から一つの細胞のみになれる「単能性幹細胞」まで、細胞自身がもつ分化能の程度によって大きく5段階にわけられます。

 

 

Q2.

どんな種類があるの?


A.

化粧品への応用の観点から見ると、大きく3つあります。

 

動物幹細胞
ヒトの皮膚幹細胞と構造が似ている羊の毛根や胎盤から採取された幹細胞。プラセンタサプリなどは動物由来が多い。体質により拒絶反応を起こす懸念もあるので注意が必要。

 

植物幹細胞
傷ついた細胞を再生させる力を持つ、特定の植物の細胞を使った幹細胞。奇跡のリンゴといわれるウトビラー・スパトラウバーなどは高い抗酸化力・保湿力で人気を集めている。

 

 ヒト幹細胞

ヒトの細胞を基にしている。医療や美容業界で多く使用されているのは、ヒトの皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞。その「培養液」がコスメに使用されている。

とくにヒト幹細胞は“再生医療”の観点から研究が進んでいます

医療の現場では、幹細胞を使った再生医療の研究も進められています。山中伸弥教授がノーベル賞を受賞した「iPS細胞」もそのひとつ。受精卵を使うES細胞を含み倫理的・安全性の問題などにより、実用化には時間がかかりそうなのが現状です。

 

 

Q3.

コスメに幹細胞は入っているの?


A.

入っていません!

コスメに使われているのはヒト幹細胞培養液と、植物幹細胞(培養液)です。

 

 

Q4.

ヒト幹細胞培養液ってどんなもの


A.

ヒトの脂肪由来幹細胞を取り除き、培養したときにできる成分のことです。

糖や核酸、脂質などさまざまな分泌成分が含まれます。ほかにも培地構成要素としてのビタミンや必須アミノ酸などが含まれることもあります。現在、美容業界(コスメ)でおもに使われているのは、ヒトの皮下脂肪から採取した、脂肪由来の幹細胞を培養した「幹細胞培養液」。幹細胞そのものが配合
されることはありません。この幹細胞培養液には高いエイジングケア効果が期待できる成長因子(グロースファクター)やペプチドなどが豊富に含まれています。

 

 

Q5.

ヒト幹細胞培養液って何ができるの?


A.

細胞活性のサポートが期待できます。

肌の抗老化、肌の美白といった多様な効果が期待できるだけでなく、皮膚組織のヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの再生を促進、肌悩みの根本からの改善をめざします。

 

<細胞活性化のメカニズムとは?>

細胞の表面にはレセプターと呼ばれるカギ穴のようなものがあり、その穴にピッタリと合うカギ(=リガンド)が結びついてはじめて活性化が始まります。ヒト幹細胞培養液には、リガンドになれる成分が豊富に含まれると言われています。

ヒト幹細胞培養液は、豊富に含まれる成長因子などが、細胞のカギ穴(レセプター)に合致するカギ(リガンド)となり、アプローチします。

植物幹細胞は、抗酸化作用・保湿効果が期待できる一方、ヒト幹細胞のようにレセプターとリガンドの仕組みはないため、細胞への作用は不明点が多いのが現状です。

 

 

Q6.

ヒト幹細胞培養液コスメの美容的効果を教えて!


A.

肌力(ホメオスタシス)にはたらきかけるエイジングケアです。

 

ヒト由来脂肪幹細胞培養液には、さまざまな生理活性物質や幹細胞がつくるTGF(形質転換成長因子)やFGF(線維芽細胞成長因子)など多くの成長因子(グロースファクター)が豊富に含まれています。それらが線維芽細胞に強く働きかけることによって、皮膚組織の主要構成成分であるヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの再生を促進します。また顔以外へも抗老化効果や組織再生効果、発毛・増毛促進効果、抗酸化効果といったさまざまな効果が期待されています。

 

 

Q7.

植物幹細胞の場合はどんな美容効果があるの?


A.

整肌作用・保湿作用に注目
植物由来の幹細胞には、抗酸化物質が豊富に含まれており、肌老化の原因となる活性酸素を除去し、若々しい肌へと導く効果があるといわれています。しかし植物とヒトの幹細胞は構造が異なるため、同様の効果は期待できません。

<注目されているのはこの植物>

■リンゴ

スイス原産、4カ月間腐らないといわれる「ウトビラー・スパトラウバー」の幹細胞を抽出・培養。高い抗酸化力で肌老化にアプローチ。

■エーデルワイス

ミトコンドリアに働きかけ、コラーゲンやヒアルロン酸を生成する働きがあるといわれる、今、注目の幹細胞エキス。

■アルガンツリー

モロッコの希少植物。生命力が強く、古くから肌の修復機能があるとされ、新芽から取れる幹細胞エキスはスキンケアに広く用いられる。

■ライラック

ライラックの葉から採取した幹細胞を培養。スキンケアはもちろん、シャンプーなどのヘアケアアイテムにも広く用いられている。

 

 

Q8.

どんな肌にオススメ?


A.

加齢の悩みを抱えた肌に特にオススメ!

 

 

ヒト幹細胞培養液は、肌表面に腫瘍があるといったケース以外は、基本的に肌質を選ばず使ってOK。活性化による高い実感力で、特に年齢肌トラブルが気になる方にオススメ。日本で多く流通する植物幹細胞コスメは高い抗酸化力が魅力。

 

 

Q9.

選ぶときに気をつけることはどんなこと?


A.

原料基準と配合率をチェック!

「ヒト幹細胞培養液」は安全性・安定性の両面からも厳密な取り扱いをすべき原料。ドナーの状態や培養技術などにも目を配るべき。まずは原料基準を満たしているか、資料を提示してもらうなどその安全性を確認したいもの。
幹細胞培養液は「配合率が高い=効果が期待できる」わけではありません。また、ヒト幹細胞培養液だけならどの肌にも使えますが、ほかにどのような美容成分が配合されているかも重要です。自分の肌や悩みに合ったものを選びましょう。

製品のエビデンスには、保湿なのか整肌作用なのか、コスメがめざす効果が書かれています。そのためエビデンスや、実際の利用者の声を参考にするのもいいですね。

 

 

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監修:アンチエイジング株式会社 事業開発リーダー 金 清文
取材:菅井美知子/文:大野ルミコ