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熊本地震を経験して vol.3

アナリストコラム -

震災から2ヵ月、現在の熊本は…

震災から2か月経過したが、未だに避難所生活を強いられている方は6,000名を超え、車中泊の方は数知れない。住宅被害は全壊から一部損壊までで1万2,000棟にも及ぶ。経済損失額は熊本県が1兆8千億~3兆8千億円となり、中越地震をも上回っている。道路などの社会インフラは4千億~7千億円にも及ぶ。そして6月に入り豪雨による浸水土砂崩れの被害まで出てきており、被災地を更に圧迫している。
これから必要なことは何なのか…。それは綺麗事無しに「財源」。そして「創生」である。

家屋は全壊でも300万円と補償は微々たるもので、一部損壊では申請から承認までにかなりの時間がかかるのが現状だ。その間にも事業主は雇用や維持費など多くの問題を抱える。県内の倒産数も増え始めている。

阪神大震災や東日本大震災では、発生から3か月後に地震の影響による倒産が多発している点からも、今後1か月で体力がない企業は息切れをする可能性がある。私自身も震災直後はさすがに頭が真っ白になった。今後のことをすぐには考えられず閉店することもよぎったほど。スタッフも避難所から通ったり、学校も休校になり環境も変わっている中、スタッフのことを思うと無理に続けられないと思っていたが、それでもスタッフはついてきてくれた。お客様のためにもオープンさせたいと熱望してくれる。本当にありがたかった。

みんなの気持ちで迷いは吹っ切れ、絶対にスタッフを幸せにすると誓った。
その為にも私は被害を受けたサロンではなく新天地での創生を選んだ。復興で「元に戻す」ということも大事だが、おもてなし産業は元に戻すことが再生ではなく、「さらなるグレードアップ」が再生であると考える。

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サロンスタッフの高い意識に感動

震災で疲れ果てた心身を癒すためには特別なケアが必要になる。安住を求めるからこそ今まで以上のホスピタリティやサービスを提供できるサロンにしなければ、この状況下のお客様のお役には立てないのだ。
オージャスはエステと岩盤浴とフィットネスの3面美容を掲げて創り上げたが、残念ながら岩盤浴とフィットネスエリアは損傷もあり営業停止。エステのみの稼働となった。
1週間後からサロンを再開したもののお客様は1日1.2名。平均来店数は1日30名なので、大打撃である。お客様は震源地の近くにお住いの方が多く震災直後にエステに来れる方は正直いなかった。ご予約のほとんどがキャンセルになった。

そんな時はボランティアエステに出向き、エステティックグランプリを通して預かった大切な支援物資を届けに行った。まだスタッフの家も断水やガスが復旧していない厳しい状況下だったが、やはりエステティシャンの使命感なのだろう。やれることをやろうと動いてくれる。改めてスタッフの高い意識に感動した。