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エステだけでなく、 幅広い事業を展開する 起業家をめざしたい

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新居 理恵 株式会社マッコイ 代表取締役

 

安定よりも、先手を打つ経営をめざしたい

 

昨年種まきした事業の芽がようやく出てきました。中国の友人たちとスクール事業を始める計画が進み、中国に拠点をつくる予定です。日本では細やかな接待・技術が好まれますが、今の中国は売り手市場。技術が難しすぎるとエステティシャンのほうが続けられないと悩みを抱えるオーナーさんが多いので、手技を手数半分に短縮、でも結果が出るという中国仕様メニューを開発しました。実際にやってみて、エステティシャンの技術がどれだけ特別で素晴らしいかということを根づかせていく戦法は、まさに中国での事業展開にはもってこいかもしれません。

 

国内では、フランチャイズ展開を視野に入れたモデル店第一号を銀座にオープンしました。マッコイ専門店の誕生です。プロの意見を入れつつも焦らずやっていこうと考えています。国内はゆっくり、中国は急激に、と正反対の展開が予想されるので、どうなるのか今から楽しみです。

 

2017年は、もう一つ。日本再生医療協会という団体をドクターにお誘いいただき、ともに進めています。これは美容整形や皮膚科の先生ではなく、臨床系や大学病院の先生がメンバーです。目標にしていることは、メタボリックを解消するということ。そこで今、医療用に『ノンFモンスター』を改良したドクター仕様化粧品の臨床データを取っていて、5月の学会で発表する予定です。

 

くわえて、大手企業とのコラボレーションも始まります。私は、安定した経営よりも、余裕のあるときに先手を打つ、攻める経営をめざしているので、美容室市場やEC事業の買収を進めています。エステティック業界は法律が曖昧で、市場も広くありません。くわえて、日本は少子・超高齢社会化が加速していくということを考えると、経営者としては先手を打たざるを得ません。2年前に一般市場参入を試みたときは、焦り過ぎて広がりが遅かった経験があります。その教訓を生かし、今回は企画をしっかりと練り、現地リサーチをして進めたので状況もよく、理想に近い形で動いています。

今まではスピード感がマッコイのいいところだったのですが、大きな団体と組むことで、まず臨床データを取ること、しっかりと企画することの大切さを学んでいます。医療と美容が組めばすごくいい仕事になるな、結果が出るなというのを最近はドクターもよくわかってくださっているので、一緒に勉強しながら本物だけを残していく、というのが今のスタンスです。

 

技術や商品をアピールするのがメーカーの役割

 

昨年から日本の社長を務めているランボルギーニワインのほうも順調で、今年はカフェやレストランのプロデュース業をしていく可能性があります。本社は「早く個数を売ってほしい」という考えを持っていますが、ランボルギーニは高級車ですから、「簡単に売らないよ」というのが強みだと思うのです。

今後もエステの新しい技術を発表していきます。GTA(総合セラピー協会)としては専門家と一緒にいろいろな技術を開発し、メーカーとして技術を正確にメディアに載せていくという役割を果たしていくべきと思っています。そうした活動を通じて、「女性社長で活発にやっている」と、いろいろな取材オファーが来ています。今は、少しずつ選んでお受けし、メディアに露出しています。きちんとしたビジネスパーソンとして認めてもらえるようになりたいのです。この活動がまた新たなビジネスの背景につながるといいなと感じています。

 

新居 理恵 RIE ARAI
株式会社マッコイ 代表取締役
2005年にマンションの一室でエステサロンを開業して以降、化粧品開発やスクール事業を展開。2016年には「GTA(一般社団法人総合セラピー協会)」を設立するなど、エステティシャンの社会的プレゼンス向上にも尽力。