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たるみの原因、重力による皮膚表層の細胞面積拡大を発見。ナリス化粧品が学会発表

業界ニュース -

 

株式会社ナリス化粧品(大阪市福島区、代表者:村岡弘義)は、2018年9月18~21日、ドイツ・ミュンヘンにて開催されたIFSCC 2018 CONGRESSにて最新研究結果を発表した。IFSCC CONGRESSは、2年に1度開催される世界47カ国が参加する化粧品国際学会で、言わば「化粧品技術界のオリンピック」。その権威ある学会に、同社は近年3年連続で参加しており、今年はたるみの原因が重力による皮膚表層の細胞面積拡大であること、またふきとり化粧水使用時の「心地よさ」を数値化する手法を確立したことを発表した。

 

 

 

たるみの原因は皮膚表面にあり


 

今まで皮下脂肪や真皮の衰えなど、皮膚の奥深くに原因があるとされてきた肌のたるみ。しかし、今回発表された研究結果では、深刻なたるみのある部位ほど、皮膚の表面で角層細胞が大きくなっていることが明らかに。若い細胞には重力のかかり具合に応じて細胞を拡大・収縮する力があるが、年をとって重力に応答する力が減少している細胞には、化粧品で皮膚表層に直接アプローチすることが必要だ。この研究に基づき、同社はシソ科の多年草である「クミスクチン」に、重力による細胞拡大を抑制する効果があることを発見。この技術は特許出願済みで、今後、スキンケア品への搭載を予定している。

 

 

曖昧な感性を数値化、真にユーザー満足度の高い化粧品開発へ


 

また、今まで人の曖昧な感覚に頼っていた化粧品の評価を、「見える化」することで数値として計測できる新手法を確立したことを発表。1937年に初代ふきとり化粧水『コンク』を発売以来、成分の研究以外で使用感触研究にも力を入れてきた同社は、まず「使って心地よい」や「使い続けたい」といった意識にいたる過程を明らかにするため、適切な評価語を用いて主観評価実験を行ない、使用者の心理構造を可視化。その結果、使用者は、「肌摩擦感」「ふきとれた実感」の2つの印象を潜在的に重要だととらえていることが判明した。そこで、自作の専用装置を用いて振動量の異なる2つの計測値を比較。振動量では周波数の違いにより2つの印象を明確に区別することが可能であり、今後この計測手法を用いることで、真に「心地よい」と感じる化粧品の開発に役立てていくようだ。

 

化粧品の購入においてもっとも重要視される部分といっても過言ではない“正確で新しいエビデンス”と、”確かなレビュー”。先端を行く同社の研究開発が、化粧品業界全体に影響を与えることは間違いないだろう。

 


文 柴田彩瑛(エステティック通信編集部)
関連サイト 株式会社ナリス化粧品
http://www.naris.co.jp/