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「つけるだけで効果あり」こんなDM作ってない?事例から学ぶ広告表現

広告NG事例 -

実際に省庁などから注意を受けた広告事例を専門家による解説とともに紹介する本誌の好評連載「広告NG事例ファイル」。サロンのDMやチラシに同じような表現を使っていないか、業界関係者なら知っておきたい法律豆知識が満載です。

 

今回は、「つけるだけで効果あり」という下着が景品表示法に違反した例について。

 

【内容】

平成29年12月14日
消費者庁は、株式会社S A K LIKITに対し、同社が販売する「CC+ DOWN L E G G I N GS(シーシープラス ダウンレギンス)」と称する下着に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行なった。

 

【違反表示】
あたかも、対象商品を着用するだけで、短期間で容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。
● 「体型が激変した体験者は既に300名を超えています」と記載したうえで「◎最低体重記録を更新しました! 柴田茜さま(29歳)3週間着用」と記載するとともに人の身体を比較した画像を掲載。
● 「14日以内に全身の脂肪をそぎ落とす!!」と記載するとともに人の腹部を比較した画像を掲載。

 

【実際】
前記の表示について、消費者庁は、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、株式会社S A K L IKITに対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社は、当該期間内に資料を提出しなかった。

 

【命令の概要】
表示は対象商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。再発防止策を講じて、これを従業員に周知徹底すること。今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行なわないこと。

 


■法律家による解説■

運動や食事制限をすることなく著しい痩身効果が得られるかのように記載することは、優良誤認表示に該当する典型的なケースです。特に、今回の事案のように、使用前後の写真や体験談を掲載することは、消費者に対する訴求力が大きく、その中で不適切な表示をしていると、それだけ優良誤認表示に該当する危険性も高くなります。
巷の広告では、使用前後の写真や体験談に関して、「個人の感想です。効能効果を保証するものではありません。」といった注意書きを記載しているものがよく見られます。このような記載を打消し表示と言いますが、消費者庁の見解によれば、そのような打消し表示をしたとしても、優良誤認表示であることを免れることはできません。安易に使用前後の写真や体験談を用いた広告をすることはリスクが高いと言えるでしょう。

 

アドバイスをいただいた方
弁護士 成 眞海氏
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所
TEL:03-5224-3801