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お客様と心をつなぐエステティシャンの育成に尽力していきたい

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ドクターセラム株式会社
代表取締役・吉川 育矢

 

化粧品・健康食品の原料を扱う会社に在籍中、シルクを健康食品に応用することに情熱を燃やすようになり、2005年ドクターセラム株式会社を設立。クリニックでの医療カウンセラーやエステサロンでの研修の講師を務めるなど、医療・美容業界で幅広く活躍中。過去には歌手としてレコードデビューしたことも。

 

 

 

お客様に長く愛される、結果の出る製品にこだわる


弊社は設立以来「確実に結果を実感していただける製品」をポリシーに、主に業務用の化粧品や健康食品の製造・販売業を展開しています。おかげさまで、自社開発製品・ドイツからの輸入製品ともに10年単位でご愛用いただいている製品も多く、コロナ禍にあっても大きな打撃は受けていません。

 

昨年は、ドイツから輸入した『セラムマトリックス 海藻FDジェルシート』の販売を開始しました。実はこちらは、大手のエステサロン様から依頼され、OEMで20年以上前から卸していたもの。それを自社製品ブランドとして販売したことで、今まではアプローチできなかった個人サロンのオーナー様にも認知していただけるように。大手サロン様から独立された方は、以前から製品のよさをご存知ですので「これが欲しかったのよ!」ととても喜んでくださいました。

 

息が長いということは、一度使った人が高い効果を実感し、気に入って使い続けてくれている証。業務用ですので、爆発的にヒットするようなことはありませんが、着実に売上を上げることができる有力製品の一つです。

 

弊社の主力製品である『セラムシルクフィブロイン』は多くのエステサロン様でダイエット補助食として採用いただいています。昨年は特に香港での売上が絶好調。現地でのテレビCMやインフルエンサーによる拡散のおかげもあり、かなりの数を購入いただいています。中国本土においても大きな需要の伸びを予測し、すでにCM撮影なども終えているのですが、製造の遅れなどもあり現在流通がストップしている状態……。というのも、これまで原料の取引をしていた高級ブランドのシルク製品を製造しているブラジルの会社において、シルクの生産量が減少しており、これまでのような輸入量の確保が困難になっているのです。これを機に、現在、国産のシルクを10%ほど混ぜた製品を開発し、販売することを計画しています。日本のシルクが配合されることで製品のブランド価値も向上するのではないかと期待しています。

 

 

お客様との信頼関係を構築するためのカギは教育


コロナ禍による影響は、化粧品の売上よりも、集合講習の受講者減少のほうが顕著でした。私は講師として長年多くの研修を請け負ってきましたが、3020年以降は、依頼自体がほぼゼロに。この2年、対面での教育の場が失われたことは、人材育成という観点から、エステサロンの未来にとって大きな損失だと考えています。

 

エステティシャンにとって、売上を上げることは大切です。しかし、それ以上に重要なのが“真にお客様を想うこと”。例えば、太る原因は不摂生や運動不足だけではありません。病気が原因の場合もあります。病気の可能性が捨てきれないお客様に対しては、ダイエット目的でマッサージを続けるよりも医療機関への受診を勧めるなど、広い選択肢のなかからきちんと正解を選ぶことができるエステティシャンになってほしい。だからこそ教育が重要なのです。

 

エステティックはある意味、“夢を売る”仕事でもあります。クリニックのレーザー治療のように即効性があるわけではありませんが、エステティックにはリラクゼーション効果があります。抱えていたストレスがケアされることで肌も美しくなっていく。生きにくい世の中ですから、リラクゼーションとしてエステティックの需要はますます増加するでしょう。今年は集合講習の機会も増えてくると思いますので、業界の発展のためにも、エステティシャンの育成に貢献していきたいです。

 

 

 

経営者としての思考、お見せします!

特攻の町、知覧に実在した小さな食堂をモデルにした物語『ちらん―特攻兵の幸福食堂』。「特攻の母」と呼ばれる鳥濱トメさんを慕って多くの少年飛行兵たちが食堂に集まり、家族宛の遺書を残していきました。検閲を通さない遺書には少年兵たちの本音がつづられていて、彼らが喜んで命を捧げたわけではないことがわかります。生きてさえいれば、明日は来る。当時に比べたら「今の時代の私たちはなんて幸せなんだろう」と、今一度生きる勇気をもらいました。「人生に迷ったら知覧に行け」と言いたいですね。