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コロナ禍でダメージを受けるも、折れずに世界への一歩を踏み出す

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クロスサポート株式会社
代表取締役社長・吉野 有美

 

2002年に来日し、中日関係の貿易会社に15年ほど勤務。その後、クリニックなどで日本の先端医療や美容施術を希望する中国人のアテンドを行なう一般社団法人に転職し、3年ほど勤める。そこで美容と出合い、独立して2018年2月に現在の会社を設立、2019年に自社ブランド『YOUTHSECRET』を立ち上げる。

 

 

 

新製品発売時期とコロナ禍が重なり、想定外の道へ


弊社のヒット製品『奇蹟のソリューション』を発売したのは、2020年1月。この時期は、日本でも新型コロナウイルス感染症の拡大が騒がれ始めたころで、中国では都市封鎖がなされていました。日本でも次第に影響が出始め、注文のキャンセルが相次ぎ、売上がゼロの時期もありました。企画から1年をかけて開発した期待の製品だったのですが、スタートダッシュを切れない歯がゆい状況が続きました。しかし、コロナ禍がいつ終息するかもわからないからこそ、そのときできることを探すべきだと気持ちを切り替えました。そしてインターネットを活用し、ネットショップでの販売をスタートすることにしたのです。一般のお客様にも購入いただけるようになったものの『奇蹟のソリューション』の知名度はまだまだ低い状態。本当によい製品だという自負がありましたので、より多くの人に広めたいとSNSを活用することにしました。例えば人気の美容系インスタグラマーに『奇蹟のソリューション』を使用してもらい、感想をインスタグラムに投稿してもらうなど、露出を増やすことに尽力しました。そのような積み重ねがあったからでしょうか。2021年のエステセレクションでは金賞を受賞することができました。この功績が『奇蹟のソリューション』のアピールポイントになり、うれしく思います。

 

 

コロナ禍を逆手に取り、海外市場へ進出を果たす


コロナ禍で苦しい日々が続いたと先ほども述べましたが、前へ進むしかない。そう思って、チャンスがあれば一生懸命つかむ努力をしました。

 

一つ目のチャンスは、コロナ禍でも海外の展示会に参加できるという、JETROの募集案件です。日本から直接行くことはできない状況でしたので、現地に協力企業があり、代わりに出展してもらえることが条件でした。弊社はその条件を満たしていたのですぐに応募し、3月には中国・北京で開催された「中国国際礼品、贈品、および家庭用品展」に、続いて7月にはJETROが主催する「中国(北京)国際美博会」のジャパンパビリオンに出展することができました。いずれも日本から参加できる枠は少なく、特に国際美博会では7社分しか募集がありませんでしたが、弊社の熱意が伝わったのか、そのうちの1社として出展できることに。現地では“たった10秒で小顔になれる美容液”というキャッチフレーズが面白いと、100社以上のお客様と名刺を交換することができました。

 

二つ目のチャンスは、越境ECサイトへの進出機会です。ECサイトは、独自で開設しようとすると時間もお金がかかるものですが、多くの企業様にご協力いただき、「eBay」「淘宝(タオバオ)」「Shopee」へのショップ開設を実現し、中国をはじめとしたグローバル市場に展開することができました。おかげでシンガポールのお客様から問い合わせがあり、新たな道が拓けています。日本には、おそらく2,000社近くの化粧品会社があるなかで、弊社のような知名度が高くない会社が海外の展示会に出展できたり、越境ECサイトに参加できたりしたのは、逆に“コロナ禍だったからこそ”なのではとも思っており、この経験を糧に今後も挑戦を続けていきます。今年は、5月に開催されるBWJ東京に出展し『奇蹟のソリューション』に加え、新製品の化粧水を出品する予定です。『奇蹟』シリーズの商品を少しずつ増やし、いずれは内面から美しさを引き出すサプリメントの開発も手掛けたいと考えています。

 

 

 

経営者としての思考、お見せします!

弊社には“コロナのせいでマイナス”と“コロナのおかげでプラス”といった二つの出来事がありました。1年かけてつくり上げた『奇蹟のソリューション』の販売時期がコロナ禍と重なり、売上がゼロの月も。それがマイナスの出来事です。逆に、中国で開催された展示会に出展できたこと、東南アジアへの越境ECサイトへ出店できたことは、コロナのおかげだと思います。まだ知名度の低い弊社が海外市場へ参入できたのは、取引先の信用金庫様のおかげでもあり、中国の協力企業があったおかげ。本当に感謝しています。