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苦労の連続だった「100個製造」支援。それでも支援し続けて43年

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株式会社セントラル・コーポレーション
代表取締役・笹山 博史

 

1953年生まれ。生理学博士。専門は「生体電位を源とした生理活性研究」や「臍帯血由
来ヒト幹細胞培養液を配合した細胞増殖化粧品研究」など。研究セミナー発表や、講演
は毎回立ち見が出るほどの盛況ぶりで有名。また、人に奉仕する心が豊かな人脈につなが
り、美容業界だけでなく幅広い業界の第一人者からも注目を集める。

 

 

 

コロナ禍でも変わらない挑戦する起業家への支援


私が今まで一貫して取り組んできたことは、製品の生産ではありません。「人の未来のために尽くす」ことです。これは、新型コロナウイルス感染症が蔓延する世の中になっても変わりません。化粧品OEMメーカーである弊社としても、微力ながら何かできないかと考えた末、除菌剤が品薄になるなかで5,000本の除菌アルコールジェルを医療従事者の方々などに寄付しました。 また、発売元になるという夢のハードルを低くするため、OEM 製造にかかる費用を当社が半額負担するという支援も行なっています。

 

なぜ、支援を行なうのか。それは私の創業当時の体験からきています。そのころ化粧品製造は1ロット3, 000個が当たり前で、小さな企業やエステサロンが参入できるような環境ではありませんでした。製品の仕入れだけを行なっていたサロンは、他店と同じ製品で安売り競争に巻き込まれ、思うように売上を伸ばせません。その唯一の打開策が“発売元になること”だったのです。そうした背景から私は、前例がなかった「100個からの化粧品製造」を実現させようと奮起しました。しかし、そう簡単にいくはずもなく……。私がある工場に「100個からの化粧品製造」をお願いしたところ、利益にならないことはやらないと追い返され、別の工場では鼻で笑われ相手にされなかったのです。そういったことをくり返し、何軒も何軒も頭を下げ続ける日々。そんななか、とある化粧品工場長との運命的な出会いがありました。その人が無謀な挑戦をする私の話を親身になって聞き入れ、100個からの製造を引き受けてくれたのです。今はお亡くなりになってしまいましたが、この工場長との出会いがあったからこそ、今でも事業を継続できています。

 

そして、私がその工場長に助けられたのと同様に「エステティシャンや、独立を夢見る起業家を支援し続けたい」「受けた恩は未来へ返す」という想いで、43年間一貫して化粧品の小ロット製造の支援を続けています。

 

 

100個からのOEM製造だけでは、利益はない


100個と簡単に言っていますが、 100個の化粧品を5万円で作ると、粗利は5,000円のみ。その5, 000円で試作を行ない、原料を手配し、在庫する。さらには薬事校正、送料の算出なども行なわなければなりません。想像すれば、5,000 円では到底無理という結論に達するはず。だからこそ、創業当時すぐには実現できなかったのです。実際、多くの工場が新規の発売元を獲得するため「100個で作ります」など の広告をうたっています。しかし、初回は100個で作ることができたものの、工場の採算が合わなかったのか「次は1,000個での製造になります」と言われたという話を聞くことも多いのが実情です。一度100個製造を広告したからには、2回目以降も100個製造をし続ける責任があると私たちは考えています。

 

また化粧品はやみくもに作るだけでは売れません。成功するためには、製品を作る段階で販売戦略を視野に入れ、お客様をつかむ導入戦略や、その後のリピート戦略を練ることも重要です。弊社はそのノウハウも提供しており、それらのマーケティング戦略に関して、43年間で5万件もの相談実績があります。経験豊富なアドバイザーが多数在籍していますので、ぜひ活用していただければと思います。このようなことは“支援する気持ち”がなければできるものではありません。「独立を夢見る起業家やエステティシャンを一生かけて支援する」。これが私の使命だと思い、これからも続けていきます。

 

 

 

経営者としての思考、お見せします!

かなり前の話になりますが、行商を生業としていた人が新たに化粧品業界での独立を目指し、藁にもすがる思いで当社に来られました。その際、原価80万円で化粧品ブランドの立ち上げを支援したのです。 全くの畑違いからのスタートでしたから、不安もあったことでしょう。しかし、勇気を持って挑戦されたことが大成功へと結び付き、先方の社長さんからは「笹山社長がいたから、今の自分がある」とお言葉をいただいています。それが、「“幸”は 挑戦する人にしか微笑まない」ということでしょうか。