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資生堂 リンパ管の機能を高める「マツエキス」を発見

業界ニュース -

資生堂は、大阪大学微生物病研究所 高倉伸幸(たかくらのぶゆき)教授との共同研究により、皮膚のリンパ管の機能が低下すると皮下脂肪が蓄積し、ひいては「たるみ」の原因となることを初めて明らかにした。 また、このリンパ管を強化、正常化する効果が、ヨーロッパからアジアにかけて分布するセイヨウアカマツ(学名: Pinus Sylvestris )の球果(まつぼっくり)から採取した「マツエキス」にあることも、世界で初めて発見した。

<リンパ管の機能低下により”むくみ” が ”たるみ”へ>
リンパ管の機能が低下すると、「むくみ」を代表とする肌トラブルを引き起こす。 高倉教授は、リンパ管の機能を高める生体内因子として新たに”アペリン※1”を見出し、さらに皮下脂肪の蓄積を抑えることを発見した。この研究成果を踏まえ、リンパの機能と皮下脂肪が蓄積する関係を詳細に調べた結果、
1)リンパ液中に豊富に存在する脂肪酸がリンパ管の不安定化を引き起こし、リンパ管の外へ漏れ出ること。
2)漏れ出た脂肪酸が脂肪細胞の分化を直接促進すること。
を明らかにした。 さらに、アペリンにはリンパ管から脂肪酸が漏れ出ることを抑制する機能があることがわかった(図1)。

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「マツエキス」は、 アペリンと同様に脂肪酸によるリンパ管の不安定化を抑制する効果があることがわかった。 さらに、「マツエキス」を配合した試作品を2カ月間(朝、 晩)使用したところ、ほうれい線・フェースライン・首のたるみを改善する効果があることが認められた。

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同研究成果については、米国のアトランタ(ジョージア州)で開催された米国研究皮膚科学会(SIDannual meeting※2)で発表された。同社は、研究成果について、今後のスキンケア化粧品に応用すべく開発を進めている。

※1 アペリンは既知の生体内成分で、13 個あるいは 36 個のアミノ酸で構成されるペプチド。これまでに、血管構造
を安定化することは知られていた。
※2 SID:Society for Investigative Dermatology、皮膚科学領域では世界最大規模で、気鋭の研究者が集い先進の研究成果が発表される学会。毎年開催(本年は5月6~9日)、参加者は 25 カ国・地域から約 1,000 人規模。

●関連サイト 資生堂グループ企業情報サイト