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手に職と個性で女性たちの人生を豊かに

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「自分の「足」で立ち、歩く

 そんな女性の育成を通してフットケアの社会定着を」

 

 

 

株式会社ペディキュール

ドイツ式フットケアサロン「フットブルー」

代表取締役社長 西谷 裕子氏

 

【Profile】 Yuko Nishitani

短大時代のオランダ留学をきっかけに、ベッド1台から女性専用ドイツ式フットケアサロン「フットブルー」をオープン。現在都内と横浜に4店舗を経営、リピート率80%を誇り、約2万人の顧客を抱える。ペディリスト®として20年以上の経験、12万件の施術実績を持つ。

 

 

 

体系的な人材育成で新卒者の離職ゼロを達成


 

-2019年9月に銀座に新店舗をオープンされたそうですね。

 

西谷氏 ドイツ式フットケアサロンの先駆けとして、1998年に横浜店をオープンしてから20年を超え、横濱元町店、青山店に続く4つめの店舗として2019年9月に「フットブルー銀座店」をオープンしました。私たちの体を支える大切な「足」をケアすることは、自身の人生を歩むために欠かせない大切なこと。ドイツ式フットケア「フスフレーゲ」の素晴らしさを広く伝えると同時に、自身の「足」で立ち、歩むことのできる自立した女性たちのパートナーとなることが弊社のめざすところです。新店舗出店にはより多くのお客様をお迎えするという目的とともに、弊社で成長を遂げたスタッフの活躍の場を広げるという意図もあります。それぞれのキャリアを広げるうえで、店をマネジメントする「店長」という立場を経験することは必須。現場でお客様にご満足を提供することの次のフェーズとして、この場所でさらに多くのスタッフが技術やプラスアルファの価値を身につけ、社会に求められる人材として羽ばたけることを期待しています。

 

 

-御社ではどこに出ても通用する人材育成に力を入れていらっしゃいますね?

 

西谷氏 私自身、サロンをオープンして10年目に出産し、自分が現場に立てない状況を経験したことから、教育の重要性に目覚めました。そこからの10年は「いかに人を育てるか」に重点を置いて、人材採用と人材育成の体系を整えることに注力してきました。はじめに採用した新卒スタッフではアマチュアからプロへとギアチェンジさせることの難しさに直面。定着を得られず、店舗撤退を強いられたこともありました。その後、社会人大学で経営を勉強しなおすと、経験から得てきたノウハウの点と点がつながり、体系の重要性を意識するようになりました。

 

 

-御社の人材育成の体系について教えていただけますか?

 

西谷氏 基礎理論や技術はもちろんですが、サロンマインドやマナー、マネジメントからキャリアパスやライフプランまで、「身につけた知識と技術をいかに人生に生かしていくか?」に重きを置いたシステムです。更新に更新を重ねて作り上げた「キャリアサポートブック」による成長管理を軸に、半期ごとに「キャリアシート」を作成し、面談によりフィードバックしながら、キャリアパスを更新していきます。キャリアパスは7段階のレベルに分かれており、レベルごとに業務内容や求める人物像ともいえるキャリアランク目標を明確化。レベルに合わせて「基礎」「理論」「実技」からなる研修を実施しています。給与もこのキャリアパスと連動させることで、実力主義的な給与体系を導入しています。

 

 

-細かいレベル分けと数値化を重視したシステムですね。

 

西谷氏 サロンでの数値目標というと売り上げがすぐに思い浮かびます。売り上げの数値ももちろん重要ですが、スタッフの評価に際してはそれだけでは不十分。サロンワークやトーク、マインドなど、必ずしも売り上げに直結するわけではないところの成長もきちんと評価したいと思うのです。そのためには「がんばりました」「やりました」ではなく、数値化して目に見える形にするのが一番。ダイレクトに自分の強みや弱みをつかむことができるという意味でも、細分化・数値化には意義があります。

 

 

 

現在4店舗を展開する「フットブルー」。「足の美容」というめずらしい切り口のサロン。
訪れた女性が心からリラックスできるように高級感や上質感のある洗練された空間づくりを大切にしている。

 

ペディリストⓇ育成のため、日々技術を磨く。

 

社長の西谷氏著作の『あなたの知らない足の新常識』。
自分の体と向き合うなかで、足ケアの重要性を説いている。

 

 

 

「会社はいわゆる「踏み台」でOK!

 「やりたい仕事ナンバーワン」をめざし

 手に職と個性で女性たちの人生を豊かに」

 

 

 

ロールモデルがいるからキャリアをイメージできる


 

-新卒採用にも積極的だとうかがいましたが?

 

西谷氏 フットケア業界ではめずらしく、新卒採用をしているのが弊社です。社会人一年生としてスタートラインに立ったばかりの新卒者を採用し育てることで、キャリアパスをイメージしやすくなる効果があります。「○年目の先輩」がいることで、身近にロールモデルを得られるというメリットがあるのです。以前は新卒採用者の定着に悩んだ時期もありましたが、近年は新卒者の3年以内離職率ゼロを達成。これは体系的なキャリアサポートと並んで、個々のデータを用いてリレーションマッチングを行ない、配属に生かす人事システムの効果にもよるものだと思います。私自身やこれまでのスタッフを見てきた経験から、女性が結婚や妊娠、出産といったライフステージを経ながら全力でキャリアに取り組めるのは、だいたい28歳あたりまで、新卒からせいぜい6年程度だと思います。逆にいうと、この6年間で育んだ価値観が、女性にとってその後の人生を決めるのです。だからこそ、この6年間でしっかりと「手に職」をつけ、その後のキャリア形成に必要なスキルと覚悟を身につけてほしいと考えています。そのため、弊社ではキャリア形成に必要な知識を学んでもらうため、外部の人材を招聘しての教育にも力を入れています。サロンスタッフには社会接触度が低い傾向があり、不足しがちなマネーの知識や保険、行政の仕組みなどについて、社会保険労務士やファイナンシャルプランナーを招いて学ぶ機会をつくっています。

 

 

-御社の人材育成のめざすところとは?

 

西谷氏 弊社がめざすのはフットケア「フスフレーゲ」の社会定着ですが、そのためのサービス拡大には人材育成が欠かせません。また、フットケアは比較的競合が少なく、独立が容易で続けやすい分野ですから、育った人材が社を離れて活躍してくれることも、フットケアの普及につながるので大歓迎です。フットケアの未来を支える次世代の育成が目標なので、会社はいわゆる「踏み台」でよいと考えています。社会につながる武器としての知識と技術を身につけた女性たちが、ライフステージの変化によってキャリアをストップさせることなく、自分の「足」で立ち、前に向いて歩いていけることこそ、私たちのめざすゴールなのです。

 

 

-御社の今後の展望と、未来のエステティック業界に向けて期待することを教えてください。

 

西谷氏  フットケアを担うペディリスト® ️は、ヨーロッパでは300年もの歴史がある専門職にも関わらず、日本に技術が導入されてからはまだ30年足らずという状況。土台改善により女性の体の「美しくなる力」を引き出すことのできるフットケアは、高齢化の影響も受け、今後ますます注目を集めると感じています。そんなフットケア分野において、首都圏エリアサロン数ナンバーワンをめざし、サービスの認知度をあげていきたいと思います。また、女性であり、現役のペディリスト®️である私が経営する企業として、しなやかに社会と関わり、自分自身や家族の生活も大切にしながらキャリアを形成する女性たちのサポートにも力を注いでいきたいと考えています。「手に職」×「個性」でみずからの人生を豊かにする女性たちをあと押ししたいという思いから「手に職オンナ」の応援サイト「個人サロン.com」も立ち上げました。女性がやってみたい職業のナンバーワンとしてペディリスト®️という素晴らしい職業が認知されるよう、さらに力を尽くしていきたいと思います。