脱毛はクリニック、癒しを求めるならスパ……エステに足が向かない理由とは?
「サロンに若い女性が来ない」「若い女性のニーズがわからない」と悩むオーナーは多いのではないでしょうか。しかし、“若い女性”といってもさまざまであり、ひとくくりにしたままでは彼女たちが求めているものはわかりません。
『ガールズビューティライフ』と題したこのコーナーでは毎回、20~30歳代のシングル女性にインタビューし、収入やお金の使い方、使っている化粧品や美容意識、そしてエステティックサロンの利用動向に迫っていきます。サロンのメニュー開発やマーケティング戦略にぜひお役立てください。
今回お話をうかがったのは、田島圭子さん(仮名)。
雑誌の編集者として都内の出版社に勤めている26歳の女性だ。
以前はITベンチャー会社の社長秘書として勤務し、月収も35万円ほどあったというが、どうしても雑誌の編集に携わりたいという気持ちが強く、今年出版社に転職。裁量労働制のスタッフとして働いている。転職後の月収は額面で30万円、手取りで27万円ほど。一人暮らしは解消して実家に戻った。
仕事上会食も多く、食費や交際費はかかるほうだ。みずからの興味の対象が「食」ということもあり、勉強のため高級レストランに足を運ぶこともある。もちろん費用はすべて自腹。旅行も好きで、年に1〜2回は海外旅行をしている。衣服代は1シーズン5万円程度と、プチプラではないが低めの価格帯で抑えている。実益を兼ねた趣味にはある程度の出費は覚悟していることがわかる。
美容について聞いてみた。
「美容にはそこまで興味がなくて……」と本人は言うが、メイクはしっかりめ。スキンケアは、『IPSA』などのデパコスが中心で、メイクも『クレ・ド・ポー ボーテ』、『ルナソル』、『SHIRO』。こちらもデパコスがほとんどだ。ただし肌が弱く、低刺激であるかどうかは気にしているという。
学生時代に美容クリニックで脱毛を済ませている田島さん。クリニックを選んだ理由は「信頼感があるのと、回数が少なくて楽だから」。マッサージや整体は行かないが、旅行先でのスパの利用経験はある。ネイルはセルフジェルネイル。肌悩みはアトピー体質であることと、肌のシミ。今はレーザー治療が気になっているという。
エステティックに関しては、「抵抗があるといえばある。悩みは根本的な治療がしたいので、エステで受けられる施術では一時的な効果しかないのではないかと思ってしまう。しつこい勧誘があるのかなと怖い気持ちも。機械や化粧品を買わされるイメージもあるし……」と残念な回答が返ってきた。
田島さんはどちらかというと自分で体を動かすのが好きで、自宅で簡単なトレーニングをしており、エステティックの痩身メニューはあまり響かないのかもしれない。
都内に住む26歳の女性へのインタビューでした。
働くことが好きなキャリアウーマンタイプで、趣味にもお金をかけているようですが、彼女にとっての美容は治療・トレーニング・癒し。手段が3つのカテゴリーに分かれてしまっていることがうかがえます。その3つに、エステティックがいかに食い込めるかが問われているのではないでしょうか。
取材・文:岡本茉衣