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挑戦が成長・発展への第一歩!  厳しいときこそ“攻め”の施策を

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クリニカルエステ花蔵

三谷 愛

 

 

大学を卒業し、証券会社に就職した後、家業を継ぎ「クリニカルエステ花蔵」に入社、2012年に代表取締役に就任。現在10店舗のエステサロンを経営するかたわら、(株)アデランス美容部門顧問、JHCI理事、エステティックグランプリ実行委員も務める。

 

 

増収・増益を達成する一方
教育面での新たな課題も

 

2023年は〝変化”が多く、とても大変な一年だったと感じています。物価高騰を受けて決断した、「花蔵」のコスメやエステコースの値上げに伴う駆け込み需要とその反動により、売上が安定しなかったこと。そこにスタッフの結婚・出産による休職や退職も重なり、人材確保に長い時間を費やすなど、苦しい状況が続きました。それでも最終的に増収・増益で期を締めくくることができたのは、まさに現場のスタッフのおかげ。彼女たちのがんばりには本当に感謝しています。

しかし、新たな人材を採用する機会が増えたことにより、スタッフ教育に関する課題が浮き彫りになった一年でもありました。弊社が運営するサロンは10店舗、合計で80人を超えるスタッフが在籍する規模となったことで、経験値の高いスタッフへの仕事の集中や、人づてで仕事を教えるケースが増えていて、これらがスタッフ間のズレを生む要因になっていると気付いたのです。理論や知識、技術、接客など、それぞれのマニュアルをつくり、しっかりとした弊社の〝基準”を定めなければいけないと考えるようになりました。

 

 

教育の〝仕組み〟を固め
技術・知識の底上げを図る

 

 こうした課題を解消すべく、昨年はこれまでにない大規模な人事異動・昇格を実施しました。

 昇格のなかには誰もが予想だにしなかった抜擢もあり、衝撃を受けるスタッフも多くみられましたが、周りへのよい刺激にもなり、新しいメンバーで協力し合う意識も高まり、“どの店舗にも負けないサロンをつくろう”と現場が活気づいているのを感じています。そして、今回の組織改革をきっかけに全社員に新たな活躍の道が開かれ、これまでとは違った将来像・目標を提示できたのではないかと思います。まだまだ若く、今後何年も活躍してくれるはずのスタッフも多くいますので、「いつか自分もあのポジションに!」といったやりがいやモチベーションにつながったらうれしいです。

 また体制を整えた次の段階は、“スタッフの教育”のブラッシュアップが必要になると考えています。まずは、マニュアル作成を含めた「教育の仕組みづくり」を進め、エステティックの両輪となる技術とカウンセリング、両方の教育内容をしっかりと固めていきたいです。特に、カウンセリングはスタッフそれぞれの個性や得意・不得意が出やすいため、それらに左右されない一定基準のスキルを身に付けなくてはなりません。そのためにはマニュアルだけでなく、スタッフが日常的に学びやすいショート動画なども活用していきたいですね。やはりエステティックの世界は、売上もお客様満足度もエステティシャンの力で大きく変わりますので、成功も成長も、人材の教育あってこそだと考えています。

 

サロン成功のカギは
どこまでも誠実であること

 

 エステティック業界では、美容機器によるトラブルなどで、今、世間から厳しい視線が注がれていると思います。そのなかでサロンが生き残っていくためには、〝どこまでも誠実であること”を追求するしかないと感じています。弊社でいえば、とにかく「花蔵」に行けば本当に肌がきれいになり、人生が変わる――そんな技術・サービスをお客様に提供し続けること。エステティックはお客様にたくさんのお金と時間をかけていただくビジネスでありサービスですから、お客様としっかり向き合い、必要な説明はていねいに行なう。そうした当たり前のことを誠実に実践し、お客様も肌の変化を実感できる、確かな技術を提供していくことが重要ではないでしょうか。

 そこで、より満足度の高い結果をお客様に提供するために「花蔵」では、弊社が運営するクリニック「花蔵メディカルクリニック」と連携し、サロンのお客様を対象としたオンライン診療サービスの開設準備を進めています。これまで肝斑に悩むお客様には、薬の服用が必要なことを説明し、「花蔵メディカルクリニック」への通院をオススメするだけでしたが、今後はサロンにいながらオンラ
インで診察・処方を受けることができるようになります。そして、このシステムは弊社のサロンだけでなく、弊社監修のシミケア機器『オセロ』の導入サロン様にもご利用いただけるようにする予定なので、より確かな〝結果出し”に役立てていただけるのではないかと考えています。

 近年、『オセロ』の監修から始まり、大手テレビ通販チャンネルへの出演、「花蔵アネックスビル」の新設など、大きな決断をする場面が多かったように感じています。新たな挑戦をする際には不安もありますが、やってみて失敗したらまた変化すればいいだけのこと。目の前でできる小さな改善も大切ですが、現状を変えたい、成功したいときには、経営者として、大胆に方向性を変える決断をすることも必要だと思います。

 

1992年の創業以来、真摯にシミと向き合い続け、“結果出し”にこだわった独自メソッドを提供。同社のノウハウを詰め込んだシミケア
機器『OTHELLO the Skins Pro』やオリジナル化粧品は、その実力に高い評価が寄せられている。