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「化粧品購入の決め手はブランドの理念」 こだわりが強く、エステ利用にも前向き

業界コラム 連載 -

「サロンに若い女性が来ない」「若い女性のニーズがわからない」と悩むオーナーは多いのではないでしょうか。しかし、“若い女性”といってもさまざまであり、ひとくくりにしたままでは彼女たちが求めているものはわかりません。

『ガールズビューティライフ』と題したこのコーナーでは毎回、20~30歳代のシングル女性にインタビューし、収入やお金の使い方、使っている化粧品や美容意識、そしてエステティックサロンの利用動向に迫っていきます。サロンのメニュー開発やマーケティング戦略にぜひお役立てください。

 


 

今回お話をうかがったのは、佐藤エミさん(仮名)。
一般企業の事務のアルバイトを経て、1年ほど前から非営利団体の事務局員として勤務する。
待遇面に不満はあるが、結婚や出産などには理解があり、女性が長く働けそうな職場ではあると感じている。また、今後のステップアップも期待でき、全体的には恵まれていると捉えている。

 

 

 

 

 

 

給料は時給制で1時間1250円。非正規雇用ゆえに実家暮らしをしている。節約を徹底しており、食費は月2万円。ランチは500〜700円程度のお弁当を買って済ます。服は月に1着買うか買わないかで、美容院代も削っているという。趣味はあまりなく、また実家にお金も入れていないため、収入の多くを貯金に充てることができそうだ。

そんな佐藤さんの使っている化粧品は、『LASH』と歌手のリアーナがプロデュースする『FENTY BEAUTY』。前者はスキンケア化粧品で、後者がメイクアップ化粧品だ。「動物実験を一切していないから選びました。購入の際には重視するのはブランドの理念です」と言う。

 

化粧品選びに“ブランドの理念”という軸を持つ佐藤さん。エステティックサロンの利用経験を問うと、腰痛のために旅先でマッサージを頼むのがせいぜいで、これまでエステティックサロンを利用したことはないという。外見や年齢についてことさら強調されないか不安で、気後れしてしまうのだとか。

 

 

 

 

 

 

「年齢よりも若く見られることが多いのですが、『28歳には見られないですね』と言われると、褒めてもらっているのはわかるけれどうれしくはない。そういう女性がいることもわかってほしいです」と話す。

しかし、その点を除けばエステティックサロンに対する印象は良好。
「エステの仕事は女性が長く続けられると思うので、応援したいという気持ちがあります。女性が女性のために活躍できる仕事は素敵だと思います」
もしエステティックサロンを利用するならば、まずは1回あたり5000円〜7000円ぐらいのコースで、上半身かフェイシャルの施術を受けてみたいと言う。女性が社会で活躍してほしいという気持ちが強い佐藤さんはとくに、男性経営者や男性の店長がいるサロンよりも女性経営者のサロンを利用したいそうだ。

 


 

都内に住む28歳の女性へのインタビューでした。
こだわりが強く、化粧品ひとつとっても、ブランドの理念や目標に共感したから選択するという購買行動を取っていることがわかります。
現在は「エシカル」「環境に優しい」「動物実験していない」というブランドが売り上げを伸ばしていることもあり、佐藤さんのような女性は決して少数派ではないことがわかります。こうした女性のために、差別化戦略として明確なコンセプトを打ち出すことも選択肢のひとつかもしれません。
また外見や年齢についても、すべての女性がアンチエイジングを目指しているわけではないことがわかるのではないでしょうか。

 

 

 

取材・文:岡本茉衣