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美容に関心も、勧誘がしつこいイメージでサロン利用には足踏み状態

業界コラム 連載 -

「サロンに若い女性が来ない」「若い女性のニーズがわからない」と悩むオーナーは多いのではないでしょうか。しかし、“若い女性”といってもさまざまであり、ひとくくりにしたままでは彼女たちが求めているものはわかりません。

 

『ガールズビューティライフ』と題したこのコーナーでは毎回、20~30歳代のシングル女性にインタビューし、収入やお金の使い方、使っている化粧品や美容意識、そしてエステティックサロンの利用動向に迫っていきます。サロンのメニュー開発やマーケティング戦略にぜひお役立てください。

 


 

今回お話をうかがったのは、医療系専門職で働く田中まきさん(30)。大学、専門学校を経て、現在社会人4年目になる。
週休3日で、勤務時間は8時30分〜19時(うち休憩時間が2時間)。基本的には残業がなく、休日重視の田中さんには働きやすい環境だ。現在の給料は、額面22万円、手取りが19万円。ボーナスは年末に10万円ほどが出た。理想はプラス2万円ほどだが、現在の生活を考えるとおおむね満足していると話す。

 

 

 

 

 

 

ただ、医療系ということもあり、新型コロナウイルス感染症の影響は少なくない。東京のオフィス街にある職場は緊急事態宣言が出た4月、5月は患者数が激減。週休3日から4日になってしまったため、給料も減ってしまったという。

それでも自宅の家賃8万5000円のうち、4万円を実家から援助をしてもらっており、恋人とは同棲生活を昨年末に解消。自由に使えるお金はある程度ありそうだ。

 

さて、彼女のビューティライフの実態はどうか。まずは化粧品について聞いてみた。
スキンケア化粧品は『NOV』のエイジングケア*シリーズ『L&W』でそろえている一方、メイクアップ化粧品のブランドにはこだわりがなく、ドラッグストアのコスメもデパートコスメも両方使うという。例えば、ファンデーションは『エスプリーク』、マスカラは『ランコム』といった具合だ。

 

 

 

 

 

 

化粧品だけのケアではなく、プロに頼りたいという思いもある。とくに脱毛はしたいと思っている。しかし、今のところは整骨院のマッサージに行くのがせいぜいで、エステティックサロンの利用にはつながっていない。

「エステ1回に出せる金額は1万5000円までですね。ヘアサロンがそのぐらいなので。でも、エステは勧誘がしつこいイメージがあって。そういうのは予約サイトではわからないし……。」

 


 

美容への関心は比較的高く、身体の悩みもあるものの、「エステティックサロン=勧誘がしつこい」というイメージが田中さんのサロン利用を阻んでいるようです。

体験→コース利用ではなく、単発メニューを増やすのか、勧誘しないとアナウンスするのか。

エステティック市場をこれから左右するのは、田中さんのような30代の女性。この層へのアプローチに真剣に取り組む必要がありそうです。

 

 

*年齢に応じたお手入れのこと

 

 

取材・文:岡本茉衣