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エステティック・医療との棲み分けと協力で、美容業界を高める

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医療の見知も重要視した安全性と効果の高い機器

 

――お二人がお仕事で関わるようになった経緯を教えてください。

片山代表(以下、敬称略) 弊社の美容機器について助言をいただいています。エステサロンの範疇で安全に使えるものかなど、数値を見ながら出力を決定していくので、データや使用結果を実際に見てもらい、相談に乗っていただいています。中村先生は、地元密着型の皮膚科医としての長い経験を活かして症状やカウンセリングについて書籍にまとめるなど、ほかのお医者様にも惜しみなくさまざまな情報を発信しており、とても信頼しています。

 

中村先生(以下、敬称略) グローバルサイエンス(株)のグループ会社から美容医療機器を購入し使い始めたのが、お付き合いが始まったきっかけ。この機器がすごくよくて、狙ったシミのメラニンの粒子だけを壊すことができ、周りの皮膚に対する影響が少なくできるんですよね。

 

美への関心が高まる昨今情報を見極める目も大切に

 

――昨今の美容業界の潮流や現状について、どのようにお考えですか?

片山 15年くらい前までは、美容外科は少々行きづらい雰囲気があったと思いますが、価格が下がってきたことや有名な方々がSNSなどで発信するようになったことで、ハードルが下がったように感じます。また、コロナ禍のマスク着用や出社できない生活により、ダウンタイムを気にせずに治療がしやすかったことも要因。そのため、エステティックの需要が減っているという話もありますが、美容業界全体としては、この10年需要が拡大。美に関心がある人が増え、誰しもが気軽にさまざまな施術が受けられるよう加速してきています。

 

中村 美容を専門にしたいというドクターも増えていますが、美容を専門的に研修できる場は限られているのが現状で、美容皮膚科では診断が難しいことも。また、美容機器も正しく使わないと副作用が出ることもあるので、きちんと知識のあるドクターなのか、というのは非常に重要です。

 

片山 信頼のおける先生のもとで、治療を受けることが大切ですね。国内外のさまざまな情報が手軽に入るようになったなかで、消費者の方々がどこまで自分に合ったものを見つけられるか、というのも大きなテーマだと思います。

 

 

1人のお客様に対して、エステティックと医療が手を取り合ってサポートしていくような形が理想。

 

 

エステと医療が提携し高い水準の美をかなえる

 

――今後エステティックはどのような存在になるとお考えでしょうか?

片山 医療とエステティックの間には棲み分けがあると思います。エステティシャンとお客様の間には信頼関係があり、また年に数回、月に数回行くことによってお客様の変化に気がつくことができる存在だと思います。特に、背中やお尻など普段自分では見られない部分の体型の変化や肌の不調などを見つけてもらえますし、助言もできます。日頃は、気軽にエステサロンのボディトリートメントで予防的なケアをして、助言があれば専門的なドクターに治療してもらう、そうやって棲み分けをし、美容に興味がある方を医療機関、エステサロンで取り込んでいけるような時代になっていければと考えています。

 

中村 当院の職員や患者さんに聞いてみると、特に女性の場合はエステサロンに行ってマッサージを受けると「体がリセットされる」と聞きます。気分がよくなり、自分に対するご褒美の意味合いもあるそうなんです。そこで、必要なのが「かかりつけのエステサロン」ですよね。サロンは、美容についてのさまざまなことを相談できる場所になるとよいと思います。医療機関との連携が、高い水準の美容を目指す方にとってよい結果になると思います。

 

片山 一人のお客様に対してエステサロンと医療機関が手を取り合ってサポートしていくような形が理想ですよね。今だと、美容外科や美容皮膚科は自分で探す必要があって、分断してしまっているので、紹介し合えるシステムが必要です。

 

中村 実際、当院も紹介で来院する方は多くいます。エステサロンと連携することは美容医療の発展にもつながると思っています。

 

――2025年の、取り組んでいきたいことを教えてください。

片山 新しい技術が搭載された、安全性と効果が確立された機器をより早く発表していきたいですね。そして、販売後はメンテナンスなどのサポートをきちんとやっていくことは、今後も大切にしていきたいです。また、今までOEMで製造していたホームケア製品を、自社製品として販売できるように準備しています。弊社はエステサロン、クリニックともにお付き合いがあるので、双方にメリットがあるようにつないでいくことで、一人のお客様に対してエステサロンとクリニックの両方からアプローチができる世の中になっていくと、安心・安全でお客様にとっても心強いと思いますね。

 

中村 私は、今後も来院される方をていねいに診察し、新しい機器を取り入れながら応えられるようにしていきたいです。私にできることがあれば、グローバルサイエンス(株)への協力も継続し、安全に使用できる美容機器の開発の力になれればと思っています。

 

 

エステサロンと連携することはクリニックにもメリットがあり、さらに美容医療の発展にもつながる。

 

グローバルサイエンス株式会社
代表取締役・片山 裕加里

東京女子医科大学病院勤務後、経験を活かして医療レーザー機器のマーケティング・販売の道へ。以降、結果の出る美容製品づくりに尽力、エステティックと美容医療の架け橋を目指し活躍中。「無理せずに、楽しく、美く、長生きを」をグループのコンセプトに掲げ、多方面から美容をサポート。

 

ドクターケンクリニック
院長・中村 健一

信州大学医学部を卒業後、宇治徳洲会病院、北里大皮膚科、聖路加国際病院皮膚科を経て、1993年におゆみの皮フ科医院を開業。2018年に移転し、医院名を「ドクターケンクリニック」へ変更。著書に『診療所で診る皮膚疾患』『診療所で診る子どもの皮膚疾患』(いずれも日本医事新報社)など。

 

COMPANY DATA:
業務用美容機器を中心に化粧品・店販製品・OEM製品の提案、製造販売を手掛ける。先端技術を導入した安心・安全な業務用美容機器を提案するため、東京や大阪をはじめとする全国各地にメンテナンス部門を設置している。専任技術者を配置し、万が一のトラブルにも速やかに対応できるサポート体制を構築。常に技術を革新し、新しい価値を提供することを心掛けている。