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フェムケア文化を日本に

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コロナ禍でオンラインをフル活用
ECサイトを強化し通販で飛躍

 

藤森 暁子氏

ファンスクウェア株式会社
VIO脱毛専門サロン Pulito(プリート)
代表取締役

 

 

22歳で脱毛サロンにてキャリアをスタート。店長、事業部本部長などを歴任し、スタッフ指導と新店舗開発に従事。2017年、サロン事業部および化粧品開発部門の事業譲渡を受けて現職。サロン事業に加え、フェムケア情報サイトのメディア事業、化粧品やデリケートゾーンケア用品の開発・販売を手掛けるコスメ事業を展開し、いつまでも女性が活躍できる社会の実現をめざし尽力中。

 


 

社内のつながりを強化しオンライン事業の可能性を追求

 

弊社のサロンは3月後半からキャンセルが増えたものの、仕事が在宅に切り替わったお客様が平日の昼間に来店くださるようになり「不謹慎だけど予約が取りやすくてうれしい」といった声も意外に多くいただきました。危惧していた解約もほとんどなく、スタッフとお客様との関係性がしっかりできていることや、施術の効果を感じていただいていることがこの結果につながったのではないかとありがたく思っています。緊急事態宣言下では店舗を休業しました。その間は社員一人ひとりとオンラインでじっくり話したり、普段はなかなか集まることが難しいメンバーとオンライン飲み会を開催したりして、肩の力を抜いた状態で意見交換を行なうなど、これまでとは異なる充実した時間を過ごしました。そういったコミュニケーションのなかで「ずっと家に籠もっていたら体の不調も出てくるよね」という話になり、サロンが休業していてもせめてホームケアはできるようにECサイトを充実させることになったのです。早速コロナ対策として数週間分の自宅用スキンケア商品を『おこもりセット』として販売したところ、売上が急伸。改めて自粛中の通販需要の多さに驚きました。そして販売力を伸ばす絶好のチャンスだと捉え、その強化に動き出しました。

 

コロナ禍を機に業務のオンライン化を進めるサロンが増えているようですが、弊社でもその可能性を探っています。取り急ぎ、兼ねてよりお客様から要望の多かったオンライン予約システムを導入。VIO脱毛は生理による直前キャンセルが多いので、「今日行きたい」というお客様のニーズとマッチし、いい流れがつくれたと感じています。自粛期間中にも遺伝子検査をされているお客様からのリクエストで、オンラインでのカウンセリングをしたこともあり、このような要望に今後も応えていくつもりです。今後の課題として、お客様の悩みや要望を聞き出す圧倒的な「ヒアリング能力」を磨くことが必要になります。オンラインでは肌質などを実際に確かめることができませんから、お客様から上手に聞き取りをしつつ適切な商品をご案内できるようにトレーニングしなければなりません。弊社ではすきま時間にさまざまケースを想定したロールプレイングを行なっていますが、コロナ禍でまだ100%のお客様が戻ってきていない今こそ練習ができるよい機会。販売力の向上につながればと期待しています。

 

 

正しいデリケートゾーンケアを広めて“文化”に昇華したい

 

弊社は「フェムケア企業」というキーワードを掲げているとおり、女性の健康をケアすることで社会に貢献することを一つの指標にしています。VIO脱毛をきっかけにデリケートゾーンケアの必要性を認識していただき、不妊につながる感染症をはじめ婦人科疾患の予防につなげていきたいと考えているのです。これは、少子化対策にも直結する重要なことだと捉えています。日本は、先進国の中でもデリケートゾーンケアが非常に遅れています。これは着物文化の歴史的背景が関係しているのですが、現代においてはVIO脱毛時のメリットが多くあるので、弊社では新卒説明会でも「デリケートケア講座」を行ない、そのメリットとともに、粘膜を石油系界面活性剤で洗うことの危険性や、専用の洗浄剤と保湿剤でケアすることの大切さを伝えています。

 

また、最近では、介護を見据えた40代からの“介護脱毛”もメディアに取り上げられるようになってきました。実際に現場で活躍する介護士にお話を伺ったところ、VIO脱毛をしていれば一人あたり約30分もお世話の時間短縮になるということもわかりました。今後は介護士などの手を煩わせないといった観点からも、デリケートゾーンケアの正しい知識を啓蒙していき、当たり前の習慣として定着させ、それが“文化”になることを目指します。その第一歩として、今年8月に弊社サロン「Pulito(プリート)」で使用しているデリケートゾーンケア商品を販売するコスメ事業を立ち上げました。来年は、この事業をしっかり形にすることを一つの目標として取り組んでまいります。

 

 

長期的に働ける環境をつくり魅力的な就職先に

 

弊社では、スタッフの「人間力」や「チームワーク」を磨くことに力を入れています。2カ月に1回、勉強会を兼ねて全店舗のスタッフが集まって新しい知識を共有していますが、これは各スタッフの知識が偏らないようにすること、そして店舗の垣根を越えてみんながつながっていくことを目的に行なっています。近年は全店舗をバラしてグループワークなども開催しているのですが、このおかげで店舗間の交流が生まれ、忙しい店舗に自発的にスタッフを派遣してサポートし合うというやりとりも出てきました。昔は「あの店舗に異動するくらいなら辞めます」という事例も多々あったのですが、それがなくなりましたね(笑)。

 

今後は経営者として、エステティック業界が魅力的な就職先になるよう、エステティシャンが長期的に働けるようなキャリアステップの構築にも注力していきます。結婚・出産をしてもキャリアをあきらめることのない環境を整備したいのです。私自身、二人の子どもを育てていますが、周囲のサポートに恵まれなければ仕事の継続は難しいと実感しました。この仕事は、どうしてもお客様が優先になりますので、たとえ子どもが発熱したとしてもなかなか休めないものです。ウェブメディア事業やコスメ事業をつくったのは、出産後といった第二のキャリアとして働ける部署をつくりたかったという側面もあります。ここなら研修や実店
舗で得た大量の知識を生かすこともできますし、実店舗よりフレキシブルな働き方も可能ですから。今は共働きが当たり前の時代。スタッフのライフステージを温かく見守りながら、キャリアを全力でサポートしていきたいです。また、今年から大卒の新卒採用もスタートさせました。大学を卒業した彼女たちがエステティシャンにとどまることなく、魅力的なキャリアの選択ができるようサポートしていくつもりです。

 

 

デリケートゾーンケアを広く浸透させ
婦人科疾患の予防につなげたい
女性が末永く健康で活躍できる社会に

 

2019年に産まれた次女と共に出社することもしばしば。
女性が働きやすい環境を整備し、働き方の多様化も進めている。

 

 

 

結婚・出産後も無理なく働けるように
キャリアステップの構築をめざす

 

デリケートゾーンケアの文化を日本に根付かせる第一歩として、洗いながらパックができるウォッシュパック、美容液を開発。
VIO脱毛専門サロンだからこその実績とノウハウが詰まった逸品。

 

 

 

緊急事態宣言中にスタッフ全員でインスタリレーを開始。
好きな美容アイテムやプチ美容情報とメッセージを載せて「おうち時間」にお役立ていただける取り組みも。