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ライバルは時代

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「今できること」に一丸となって取り組む
その姿勢でコロナ禍をチャンスに変える

 

鈴木 一輝氏

株式会社テルズ&クイーン
エステティックサロン シェアラ
代表取締役

 

 

元高校球児。野球で就職するも肩を壊して挫折、20歳でエステティック業界へ。2002年に株式会社イマージュ(現:株式会社テルズ&クイーン)に入社、2010年に6代目代表となり、「成果主義」だった経営方針を「理念浸透型経営」に一転し、売上のV字回復を果たす。理念である「素敵なお母さんづくり」につながるさまざまな制度を導入し、新潟・富山・石川・福井・愛知に全10サロンを展開、拡大を続けている。

 


 

ITを活用した新たな取り組みでお客様との絆を強固に

 

新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言発令中は、運営する10店舗すべてを臨時休業としました。準備期間がほとんどない中での休業となりましたが、おかげさまで弊社はスタッフ・お客様ともにほとんど混乱もなく、むしろ化粧品などの物販の売上が大幅にアップ。業績の面でも大きな影響を受けることなく乗り越えることができています。

 

実は弊社では、2年ほど前から業務のデジタル化の推進に取り組んでいます。まずはITツールを使いこせるようになろうと全スタッフにスマートフォンとタブレット端末を配布。半年に1回、業務改善につながるアプリを見つけ、それをどのように活用してきたのかを発表する「データネーチャー大会」などを開催し、その結果、勤務時間の短縮やペーパーレス化を実現することができました。今ではお客様への連絡はすべてネット上で行ない、カルテの電子化、会議でタブレット端末をフル活用するなど、ITツールを使いこなせるようになっています。そのため、お客様と直接お会いできない状態になっても慌てることなくコミュニケーションを継続することができました。

 

また、サロンでのお手入れと同じように予約を取っていただいたうえで、エステティシャンとお客様をリモートでつないで、肌の調子をうかがい、その状態に合わせたお手入れ品のご提案や販売をさせていただく「リモートエステも実施。これが非常に好評で、中でも、その時にご紹介したパックは驚くほどの売り上げを計上する結果となりました。さらに、店販品であるダイエット用置き換え食品を使ったアレンジレシピを考案してそのつくり方を動画でアップしたり、お得なタイムセールを開催したり、世の中の暗い雰囲気を少しでも明るくできたら……と、ユーモアを交えつつさまざまな情報を発信していきました。入社してまもない若いスタッフも「こんな企画をやってみたい」と積極的に意見を出すなど、大きな力となってくれたのもうれしかったですね。お客様からも「楽しかった!」との声をたくさんいただきましたが、スタッフも皆、心から楽しみながら取り組むことができたようです。

 

 

どんな状況下でも美へのニーズが消えることはない!

 

自粛要請による休業期間中も「リモートエステ」を行なったり、SNSで再開時期などのご説明もしていましたので、実際に営業を再開した際には、ほとんどのお客様が「待っていたわよ!」という感じですぐに来店くださいました。密の回避の観点から予約数を制限しているものの、売り上げはむしろコロナ禍前よりもアップしています。その要因としては、既存のお客様からのご紹介で新たに来店・ご契約いただく方が急増したことが挙げられます。自粛期間中にリモートサロンやSNSを通じてコミュニケーションを重ねたことで、お客様との距離がグンと縮まり、信頼関係が深まった結果ではないかと思っています。

 

私は、男性であり、エステティシャンとしての実務経験もないため、お客様の想いにどう応え、どう喜んでいただくかという点については、スタッフに任せきりになっていたと思います。けれども、経営者としては、従業員の幸せを実現すること、そして従業員が働きやすい環境をつくることを何よりも重視してきました。従業員が満足して働くことが、ひいてはお客様満足の向上につながるはずだと考えたからです。ですが、営業再開後に訪れるお客様の笑顔を見て感じたのは、お客様はもっと純粋にエステティックでのサービスを求められているのだということでした。そして、どんな状況にあっても「きれいになりたい」「美しくありたい」というお客様のニーズは確実にあり、お客様が日々感じている不安やストレスを癒すという面でも、非常に大きな役割を担っている仕事なのだということです。こうしたニーズに応えていくためにも、今後も積極的に出店をしていきたいと思っています。そしてつねに「お客様が何を考えているのか」を考え、「お客様に聞く」姿勢を持ち、お客様の人生の中で『シェアラ』がなくてはならない存在になる信頼関係を築いていきたいと思っています。今後もインスタグラムなどSNSを活用した発信はもちろん、これまでにない 新たな仕掛けも考えていきたいと思っていますし、目玉となることが予想される通販事業の充実にも力を注いでいきたいと考えています。

 

 

ライバルは時代。時代の変化に対応できる柔軟な視点を

 

弊社は毎年、積極的に新卒採用を行なっており、2021年度は32名の新たな仲間を迎え入れる予定になっています。東海・北陸を中心に10店舗展開という規模でありながら、30名以上の新卒を採用する会社なんてほかにはないかもしれません。こうした積極的な採用を行なうのは、時代の流れは若者たちがつくっており、会社を成長させるためにはこの力を活用することが重要だと考えているからです。

 

私は常々「ライバルは時代」だと言っています。時代は私たちの都合とは関係なく変わるもので、その変化に対応できない会社はふるい落とされていく運命にあります。今回のコロナ禍でも、弊社が次々に新たな施策を打ち出し、スタッフが一丸となって同じ方向に進むことができたのは、新人時代から会社の価値観や理念やルールを記した「経営計画書」を柱に徹底した社員教育を行なっていることも大きいと思っています。「経営計画書」は、社内教育の“教科書”であり、守るべきルールや価値観を統一すると同時に、お客様や家族への感謝の気持ちを示すための心の「あり方」を学ぶ元となるもの。また、弊社が掲げるビジョンは「素敵なお母さんづくり」。お客様を美しく輝かせることはもちろん、エステティシャン自身もお客様やお子様からあこがれられるキラキラと輝く素敵な女性、お母さんへと成長してほしいと考えています。コロナ禍を経て、人との関わりが希薄になりつつある今、“癒し”を提供するエステティックサロンの役割はますます高まることも予想されます。こうした時代や社会情勢の変化に翻弄されることなく、女性が心身ともに輝けるためのお手伝いを続けていきたいと思っています。

 

 

「お客様の声」を重視する姿勢と
自粛期間中の積極的な情報発信で
営業再開と同時に紹介&新規契約が急増!

 

全店、お客様に安心してお越しいただけるよう、徹底したコロナ対策に力を入れている。

 

 

 

充実の社員教育で理念や価値観を浸透
女性として、人としての成長をサポート

 

シェアラ 新潟青山店。フロアはまるで高級ラウンジのようなゴージャスな空間。
店内壁紙も特徴的で、非日常を演出する。

 

 

 

施術ルームは清潔感を重要視しており、開放感溢れる広々とした造りで、リラックスした時間を堪能できる。