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時代に合わせた製品開発、従業員がココロ上向く職場を

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株式会社シンビシン
代表取締役・宇多 淳

 

大阪芸術大学・放送学科卒業。TV制作現場の美術制作部に所属した後、美容業界へ向けた顧客管理システムの営業リーダーを務める。その後2008年に立ち上げた美容研究を基盤として、2013年に株式会社シンビシンを設立。グローバルなネットワークを活かし、日本の美容市場に新風を吹き込むべく活躍中。

 

 

 

商社として市場を把握し、競合しない製品を開発


新型コロナウイルス感染症の拡大以来、カウンセリング関連製品の動きが鈍くなったと感じています。エステサロン様でも、対面や直接肌に触れるカウンセリングが難しくなったことで、化粧品の売上はあまり伸びませんでした。人は腰を据えて話し、その場の空気を動かすことで“この人から製品を買いたい”と思うものです。リモートでは、それが伝わりにくかったことが原因だと思います。

 

製品においては「高くてもよい品を購入したい」という傾向が見られるようになったので、“効果や理論がわかりやすく、結果が出やすくブランディングされている”製品に目を向けるよう心掛けました。商社という立場上、入手しにくい情報もありますが、サロン様を通じてお客様の生の声を教えてもらうようにしています。“生の声”というのは非常に大切だからです。

 

メーカーとしての弊社は、貼るコスメ『パッチMD』、目もと専用美顔機器『クマレス』などのヒット製品がありますが、まだまだ成長過程です。「シンビシンといえば、この製品」という確固たる軸となる製品が欲しい。そのためにリブランディングをして、これまでの製品を見直すことも考えています。というのも、弊社は来期で10期目に突入。このタイミングで今まで培ってきたものを活かして、シンビシンの新たな顔となる製品を世に送り出したいからです。とはいえ、弊社はメーカーでもありますが商社でもあります。私たちがモノづくりをするときは、取引先のメーカーと競合しない製品づくりを目指さなければなりません。

 

現在、企画しているのはプラスアルファの魅力があるパック系の製品で、隙間的な位置付けの製品の開発を手掛けています。また、今年はメンズコスメにも力を入れ、新製品を出す予定です。SNSにも、男性の美容・化粧に関して数多く発信されているので、潜在的なニーズは十分あると思います。すでに韓国ではメンズコスメが流行っていますし、国内の大手百貨店でもメンズビューティーのイベントを開催しています。弊社でもメンズ美容を盛り上げようと、理美容室などにサンプルを配布し興味を持ってもらい、メイクを体験し、インスタグラムにアップしてもらうような場を提供しようと動いています。

 

 

ストレスレスの職場づくりですべてをプラス方向へ


ウィズコロナの時代となり心掛けているのは、従業員がストレスをためない職場づくりです。社内改革として、35坪だった大阪事務所を80坪に拡張しました。従業員の1人当たりのスペースは今までの倍、衝立も立てて個室のような形にし、休憩ルームも新設。働きやすい環境にしました。なかでも、総務部は受発注を担当する重要な部署。物流の手配を効率的に行ない、製品をお客様の手もとにできるだけ早くお届けするというコンセプトを、総務部全員が共有しています。なぜなら製品を受注から2日でサロンへお届けできるか、4日を必要とするかで年間のサロン売上が大きく変わるからです。機会損失が起こらないよう、物流のプロである意識を持って日々仕事に向き合っています。時間に追われるストレスを減らすためにも業務に集中できる環境を提供し、また外部講師を招いての勉強会も実施するなど、総務部内のコミュニケーション力を高める取り組みも行なっています。

 

従業員にとって働きやすい職場づくりと、コミュニケーションの機会を創出するための努力や投資はこれからも惜しまないつもりです。

 

 

 

経営者としての思考、お見せします!

2020年に縁あって弊社に入社した川邨知子さん。元エステティシャンである彼女は、美容機器のインストラクション方法、技術面、応酬話法の経験を活かした話術など、多くの知見を蓄えています。私は美容機器の販売にあたることが多かったので、彼女と自分を比較して、自分がしばしば言葉足らずのまま商談を進めてしまっていたことに気付かされました。また、そうした“現場のノウハウ”に限らず、社外に対しても社内に対しても、周りを明るい方向へ導く姿勢にも学ばせてもらっています。