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長く働きやすい環境を整え、女性の自立を全力支援!

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「大規模な「働き方企画」を断行

 長く働きやすい環境を整え、女性の自立を全力支援」

 

 

 

株式会社エルピス

「クリニカルエステ花蔵」

代表取締役 三谷 愛氏

 

【Profile】 Ai Mitani

大学卒業後OLとして証券会社に勤務、その後、家業の株式会社エルピス「クリニカルエステ花蔵」を継ぐ。取締役教育部長、取締役副社長を経て、2012年より現職。埼玉県を中心に9サロンを運営するかたわら、2017年にはエステティックグランプリの理事長に就任、エステ業界発展のために奔走を続ける。

 

 

 

成長を加速させる向上心と適度な距離感


 

-2019年8月の決算でも全店舗で売り上げ目標を大幅にクリア。今年も充実した一年になりましたね。

 

三谷氏 ありがとうございます。今年一年もスタッフ一人ひとりが本当に成長してくれました。これも弊社が「地域で愛されるエステティックサロン」をめざし、お客様と二人三脚で取り組んできたことが実を結んだ結果だと思っております。特に2017年3月にオープンした「まるひろ川越店」は、連日多くのご予約をいただき、ベッドが足りないほど。運営する9サロンの中でも今、最も勢いのある店舗となっており、今後は旗艦店として全サロンを引っ張る、そんな存在になるのではないかと期待しています。

 

 

-これだけの数字をあげるためには、ほかのスタッフのモチベーション管理が必要ですよね。

 

三谷氏 スタッフ育成には多大な時間を要するというのは正直なところです。スキルだけでなく、心を磨かなければ売り上げがついてくるエステティシャンにはなれませんから。新人がベテランよりできないのは当たり前。ですが、少しでも早く成長していってもらうために、新人からベテランまでが互いに意識し合い、切磋琢磨できる環境作りは心がけています。弊社では、店舗の垣根を越えてお互いの取り組みや実績が見えるような情報の共有をしております。それにより、よい刺激が生まれてスタッフ間に当事者意識も芽生え、思いもよらない成長につながることも少なくありません。また同時に、各店舗のチーフ・店長には「日々の小さな目標」を掲げるように指示しています。目標に手が届いた経験を重ねることで、モチベーションアップにもつながっているようです。私は、スタッフにはつねに「私たちは友達ではなく、同じ目的・志を持った仕事の同志である」ことを伝えています。友達になってしまうと、お互いに切磋琢磨する気持ちよりも、つらい目標に対する愚痴や不満といった悪い感情まで共有してしまう恐れがあるからです。お互いにライバルであり、仲間である、そのちょうどいい距離感がスタッフ全体の底上げにつながっているのではないでしょうか。

 

 

-売り上げ・予約ともに増え続けるなかで、

 新たな人材の確保、採用についてはどのようにお考えですか?

 

三谷氏 実は以前から、新卒採用に関しては1度に多くは採用していません。それは「一人ひとりとしっかり向き合い、ていねいに育てていきたい」という思いがあるから。採用の際、特に重視しているのは、その方が「仕事を通じて、人として・女性として成長したい」という思いをもっているかどうか。働く中では、技術・理論など勉強しなくてはならないことがたくさんあります。お客様対応の場面で挫折することもあるでしょう。そうしたさまざまな問題と真剣に向き合い、乗り越えていこうと思えるか、そして、その経験の中から働くことの価値観を見出す力があるかが重要。「働く中で目標を持ってがんばることができるかどうか」を何よりも大事にし、またそういうエステティシャンになれるように育てていこうという覚悟をもって採用を行なっています。

 

 

 

目標を持たせることが自信と成長につながる


 

三谷氏 とはいえ、最近は特に若い方を中心にプライベートの時間を重視する傾向にあり、いきなり高い目標をかかげても、全員が積極的にキャリアアップに取り組めるわけではありません。しかし、仕事を通じて成長することができなければ、心も、経済的にも充実した毎日を送ることはできません。それを理解してもらうためには、やはり自分自身で気づき、学び、自信をつけていく場所が必要。その手段として、社内イベントの一つである「花蔵エステティックアワード」の開催や、私が理事長を務めていた「エステティックグランプリ」へのサロンを挙げての参加を進めています。スタッフたちは、そのような舞台へ挑戦する過程で、たくさんの壁にぶち当たります。その都度、うまくいかない原因に悩み、気づき、試行錯誤を重ね、成長していく。また、そのロールモデルがすぐそばにいることも重要。「あのステージに立ちたい」「(表彰された)あの先輩のようになりたい」と一念発起し、自分なりの目標を持って取り組んでいる様子が見受けられます。

 

 

 

 

毎年「花蔵エステティックアワード」を開催。各店舗の目標達成をたたえるだけでなく、
理念とビジョンを再共有する場としてもその役目を果たしている。

 

代表の三谷社長みずからも理事長を務めた経験を持つ「エステティックグランプリ」にも出場。
それぞれのスタッフの成長が見られるステージでもある。

 

 

 

「仕事とプライベートの両立をめざす女性たちを

 全力で応援していきたい」

 

 

 

思い切った働き方改革でやりがいと満足度を提供


 

-今年はその「花蔵エステティックアワード」のステージで、

 働き方改革の大きな発表を行ないましたね。

 

三谷氏 これは弊社にとって本当に大きな挑戦であり、どのような結果が出るか、私自身も非常に緊張しております。2020年、弊社は職場環境を大きく変え、より仕事とプライベートのメリハリをつけられるよう、勤務時間・評価制度を大きく変更します。勤務を8時間勤務の2交代制とし、早番なら18時、遅番のスタッフも営業終了後すぐに帰宅できるように徹底したいと思っています。そのためには、予約の取り方など、施術業務以外のデスクワークをどう短縮していくかも考えていかなくてはなりません。今、施策として「毎日一人40分、集中して自分の仕事に取り組む時間をつくる」ことを実践しています。この時間を使って、今まで営業時間終了後に取り掛かることが多かったデスクワーク、お客様へのフォローなどを行ない、営業時間後は「すぐに帰る」ことを徹底させていきたいと思っているのです。また給与面に関しても、実績に対して明確な業績給を採用、がんばった分はしっかりと評価することで、スタッフのやりがいを引き出したいと考えています。ただし、それによって、売り上げに走るようになっては意味がありません。これまでの「お客様のために」という想いや価値観を変えることなく、改革を進めていくためには、私もしっかりと一人ひとりの様子に目を向けていかなければならないと思っています。

 

 

-この改革を通じて、エステティック業界をどのように変えていきたいとお考えですか?

 

三谷氏 エステティシャンという仕事は、女性が生涯長く働くことができる職業であり、多くの女性が興味・関心を寄せる“美容”に深く関わることができるやりがいある仕事だと思っています。そして今は美容・エステにかかわる企業の多くが真剣に労基の改善に取り組み、仕事とプライベートを両立しながら働けるようにもなってきています。仕事も家庭もプライベートももっと充実させたい、女性として自立したいという想いは決してわがままなものではなく、当然の感情ではないでしょうか。弊社は創業以来「自立する女性」を全力で応援してきました。今回の働き方改革は、その想い・取り組みをさらに加速させるもの。お客様に美を提供する夢と責任のある仕事だと、誰もが胸を張っていえるよう、エステティック業界の発展に一石を投じていきたいと考えています。